ロケーションも大事ですが、それと同じようにインドネシアでの飲食店ビジネス成功のカギとなるのは「何をどのように売るか」ということです。
インドネシアでの食材の仕入れにはハラルにも要注意
フランチャイズでの出店についてはメニューやレシピはもちろんのこと、サプライヤーや配送方法など本部からの指定に従わなければならない場合があり、それらについては契約段階での確認が必要です。
自社企画での出店の場合は、サプライヤーの情報は紹介や口コミなどのほか、業界が開催する展示会などに足を運び、見積もりを取って検討します。
特にメイン商品となる食材については何かあったときの場合に備え、リスク分散のためにも何社か並行してサプライヤーを決めておくのがいいでしょう。
食材のうち特に加工食品については、ハラルの問題もあるため、原材料や製造過程を含めて情報を集め、検討する必要があります。
商品に自信があっても重要なインドネシアでのマーケティング
インドネシアにおけるミドルアッパー層によるマーケットでは、健康志向が高まり、オーガニックの野菜なども好まれるアイテムになっています。
メニューやレシピ、サプライヤー(食材の調達先)については、企画の段階であらかじめ決まっていなければなりませんが、それと並行して、こうした消費者の嗜好を知るマーケティングも重要です。
日本でその商品(メニュー)にどれほど人気があったとしても、そのままのレシピのままインドネシアで提供して売れるとは限りません。場合によってはインドネシアの人たちに受け入れられる 味付けや風味へのアレンジが必要になるかもしれません。
オープンまでに試作を重ねながら、試食を行い、直接現地の人たちにも料理の感想を聞いてみましょう。 メニューやレシピを見直す作業はオープン後もお客様の反応やアンケートなどのフィードバックを見ながら続け、1カ月をめどに調整することが一般的です。
ウェブや紙媒体を使い、効果的なプロモーション
オープン前後の1カ月間はプローモーションにも力を入れるべき期間です。
一般的にローカルに対する訴求効果が高いのはウェブ媒体だと言われています。ウェブサイトの開設はもちろんのこと、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNSは費用対効果の高い宣伝ツールですので、ぜひ利用しましょう。
また、メディア向けのカンファレンスを開き、それぞれの媒体に取り上げてもらう、ターゲット層に効果的な広告やチラシを配布するなどさまざまな手法があります。
集客力の高いショッピングモールの家賃には広告費用が含まれていることもあり、また別途PR費用が上乗せされて請求されているケースもあるようです。もちろん、専門のPR会社に依頼するという方法もありますが、 現地の情報をよく知っている業者が良いことは言うまでもありません。
大々的な広告にはコストもかかり、予算に占める割合も高くなりますが、最初はこうした仕掛けがなければ、口コミも広がらな いのでプロモーションは初期投資だと考えたいものです。
また、オープン後にはアンケートなどで、どのプロモーションによる集客が多かったかという効果測定を行いその後のPR戦略を立てていきます。
スタッフの雇用で考慮すべきポイント
マネージャー(責任者)やシェフなど中核となるスタッフについては2カ月前に採用するようにしましょう。
インドネシアではウェブなどの求人媒体や友人からの繋がりで仕事を応募するケースが多いようですが、可能であればスカウトや紹介などでしっかりした人材を採用したいものです。採用の時にはそれぞれに何をどこまで任せるかまでしっかり話し合って決めましょう。
例えば厨房の仕事では単に調理をするのみでなく仕入れやコスト計算、メニュー開発まで、任せられる範囲によって、マネジメントのタイムラインや動線は全く変わってきます。接客についても、どの程度の経験者を求めるのか、日本での就労経験者が良いのか、言語力(英語や日本語)はどこまで求めるのか、などを考慮します。
当然ながらより高いスキルや経験のある者の方が給与は高くなりますし、従業員は常に好待遇を求めて仕事先を探していますのでさまざまな配慮が必要となります。
インドネシア人以外のスタッフを雇用する際には当然、ビザも必要になるのでその手続きもしなければなりません。
現場スタッフの採用は1カ月前から開始し、採用と同時にトレーニングを開始しますが、それまでに厨房およびフロアでの 接客マニュアルも現地語あるいは英語で用意する必要があります。 ホールの担当も、レセプションや会計、バーテンダーを含め、どの職種をどのような時間帯にどれだけ配置することが必要になるのかをオープン後の1カ月で検証することが求められます。
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