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インドネシアのオフィス・工場運営に必要な セキュリティー確保

インドネシアで安定した事業運営を行うためには、「セキュリティーを確保すること」がとても重要です。安全確保は、会社の利益を守ることに直接つながります。

ビルなどでのセキュリティーチェック

ジャカルタのオフィスビルやショッピングモール、ホテルなど不特定多数の人々が出入りする施設の入口では必ず荷物検査が行われています。ジャカルタでは過去に数度、爆破テロ事件が起きていることもあり、安全を確保するため、いまではあらゆる場所でチェックを実施しています。

一方、オフィスビルに入る際に、ロビーにあるレセプションで身分証明書の提示を求められます。必ずパスポートやITASを持参しましょう。従業員や自社オフィスの安全を守るため、入居する物件を探す際はビル全体のセキュリティー確保がどのように行われているかについても確認するべきでしょう。

人と設備を組み合わせた警備

ジャカルタではオフィスビルやショッピングモール、アパートメントなど、どこに行っても多くの警備員の姿が目につきます。人件費が比較的安いことから「人に頼る警備」が積極的に行われていますが、マンパワーだけでは安全を確保することはできませんし、 警備員自らによる不祥事も起こり得ます。

例えば自社工場などでセキュリティーシステムを構築する場合、 「人による警備」を行う一方で、監視用カメラ、ゲートコントロー ル、防犯センサーなどの設備を使って不祥事を起こさせないためのシステムを考える必要があります。

セキュリティーサービスを手掛ける各社は、警備員の派遣だけでなく、その事業所の安全を守るために適切な設備導入を含めた 総合的な警備システムの導入に向けた提案を作成しています。

不在中のオフィスをどう守るか

オフィスに従業員が24時間必ずいることは基本的にないです。

深夜や長期休暇の際、どのようにセキュリティーを確保するかが大きな課題となります。 オフィスが無人となる時間帯には、入室に制限をかける「アクセスコントロール」は有効な手段のひとつです。万一誰かが入ったらアラームが鳴り、即座に外部に連絡できるようになっています。

また、不審な入室があった際、オフィス内を撮影する「スナップショット」というシステムもあります。写真には撮影日時も入るので、不審なことがあった場合に追跡チェックも可能で、ジャカル タでは多くのオフィスに普及しています。

人の動線を決めてしまう仕組みの導入

人それぞれの「行ける場所」をIC カードに読み込ませ、関係のない場所に行けない仕組みを作るこ ともできます。

こういった仕組みを構築するには、ドアやゲートの開閉にICカードセンサーを取り付ける、エレベーターの行き先を乗り込む前に決めてしまう設備を導入するといった投資が必要ですが、機密事項を多く取り扱う工場などでは有効的な手段です。

「いろいろな人がいろいろな場所に行けない」ようにしておくことで、外部からの侵入者だけでなく自社社員による不祥事も防ぐことができます。

IT関連のセキュリティー対策の考慮

インドネシアでは、スマートフォンが広く浸透しています。社員のみならずオフィスワーカーのほぼ全員が所有しているといっても過言ではないでしょう。社員のみならず来客もが自社のパソコンを通じて充電するのも日常的なことになりました。

また、社員がUSBのメモリースティックを使って、自身のパソコンのデータを移したりすることもあるでしょう。

こういった使用を繰り返していると、コンピュータウィルスの感染だけでなく、顧客データをはじめとする重要情報の流出が起こ るリスクが高まります。

従業員のセキュリティーに対する意識を高める

日本人とインドネシア人では文化の違いなどから、防犯に対する意識や感覚が異なります。そのため、社員たちには悪気はないものの、結果として自社の損失に繋がるようなトラブルが起こることがあります。

防犯設備(ハード)の強化はセキュリティー確保のために大切ですが、一方で「この会社はセキュリティーに対する意識が高い」ということを常日頃から従業員に周知徹底し、不正行為がしにくい環境づくりが重要です。

警備員の教育とライセンスの取得

インドネシアではこれまで、警備員に教育を施したり、ライセンスを取らせるといった専門性を高める動きがなかなか進まなかった。 しかし、警備員を雇う企業の側 にも安全確保への意識が広がる中、警備員のライセンスの有無を確認する動きもある。今まで以上に警備員の資格や質に対する要求が高まって来ている。

想定される従業員などによる不正の例

インドネシアで想定される従業員などによる不正例については、以下のようなものが挙げられます。

  • 物品の持ち出し
    オフィスでの文房具などの窃盗、工場での資材や工具・原料・製品などの物品の搬出など。
  • 廃材の横流し
    売却先があり、現金になるため。
  • 出入庫時の数量のごまかし
    帳簿で調整したり、過剰に入庫させたりやり方はさまざま。
  • 外部業者からのリベートの支払い
    口を利くことで裏金を要求する。
  • 罰金、解決金の山分け
    従業員が諸官庁と結託した上、自社から当局者が徴収する。
  • 機密書類やデジタルデータの持ち出しや競合への売却、破壊
    どこのオフィスでも起こりうる。

郊外での工場新設と周辺住民との調整

ジャカルタ東郊外には工業団地の開発が進んでおり、数多くの日本企業もそこへ進出しています。新たな工場を建てた際、様々な形の周辺住民とのトラブルが起こることがあります。

村民たちは、今まで何もなかった村に工場ができると「自分たちはとても潤う」と想像する一方、工場ができたために環境破壊が起きた、騒音が気になる、外部から人が入って来て治安が悪化 したなど、あれこれクレームを付けては何らかの「施し」を期待されることもあります。

操業開始後に工場内に侵入し落書き、破壊といった嫌がらせを受けた例もあるほどです。 工場建設のさなかから、インドネシア人の警備員を置いて、村人とのトラブル防止に努める一方、操業開始後もできるだけ警備員には地元民を雇うなどし、見えない壁を取り除く工夫をする必要がありそうです。