インドネシア現地法人の運営責任者としての業務

現地法人に代表者として赴任すると、自身の専門分野のみならず、会社全体の管理を担う「オールラウンダー」としての役割を求められます。

最終的な経営責任を負う

日本から駐在代表として着任される方の多くは、営業または製造といった部門から来られているようです。しかし、現地法人に赴任すると、一部門のスペシャリストという役割ではなく、その法人の経営責任を負う立場を任されることになります。

つまり、日本で勤務している時よりも責任の裁量権が大きく広がる、あるいは 多くの方が未経験の職務を持つことになる、というわけです。 そういった会社運営に関する経験が不十分な駐在員が、文化 や習慣が異なるインドネシアで現地法人を管理するにはどうしたら良いか、という問題が頭をもたげて来ます。

特に現地拠点立ち上げの際、あるいは駐在員交代の際などの折に、すべての仕事をその駐在代表に任せるのではなく、本社の管理部門のスタッフが一時的でも「現地法人の仕組みづくり」のヘルプを行う、といった形を検討してみるのも一案でしょう。

小さな拠点ではオールラウンダーに動くことが必須

ひとたび現地法人の代表ともなると、いきなり自営業の社長の 如く、あらゆるタスクに対応しなければなりません。本来、日本の 会社でなら管理部門や総務部などが携わることでも、海外拠点の 責任者になった途端、さまざまな事柄に目を光らせる必要が出て きます。では、現地法人を管理・運営するに当たり、どんなタスク を求められることになるのでしょうか。

主なタスクは以下の通りです。

駐在代表が気にかけるべきタスクの例

労務、総務、経理、会計、税務、財務、IT、法人の「顔」としての役割、法務上のトラブル解決、外部との契約の締結、など。

  • 求人活動の実施、人事採用の可否決定
  • 会計や税務関連書類のチェック
  • 備品や消耗品の調達
  • オフィスに関するトラブル処理

「本業の軸」となる部分以外のことでやるべきことが増える。

法人経営にあたっての法務はこちらの記事も併せてご確認ください。

「現地に行ったらこういうことをこなすことになる」という心の準備をしっかりしておくことが大切となるでしょう。

現地で仕事をする期間は数年と限られています。スタートダッシュが確実にできるように備えることで、より早くより良い仕事に取りかかれる、という利点もあります。

現地スタッフに管理を任せる

一定規模の拠点では、インドネシア人スタッフに現地法人の運営に関わる総務、経理や人事といった管理を委ねなければ業務が 回らないといったことも出てきます。

しかし、「あれもこれもあって忙しいので、ローカルスタッフに丸投げ」といった形で進めるのは危険です。特に会計管理についての「統制」はかなり綿密に行いたいものです。

会計実務については、インドネシア人のローカルスタッフに記帳をはじめとする日常業務を任せるのが現実的な対応でしょう。実際にそのような形で日常業務を進めている日系企業が多いのが実情です。 ただ、会計実務の一連の作業について、運営責任者である駐在員がどのような形で「にらみ」を利かすか(使い込みやごまかしができないように)も重要な課題となります。

また、インドネシアには日本の簿記検定に当たる資格がありま せん。そのため、履歴書に「経理の経験あり、知識あり」と書いてあってもそれがどういったレベルなのか判断が難しいわけです。

企業文化の違いを知る

外国の拠点では言葉の問題が立ちはだかり、社員に駐在員の意思を確実に伝えて会社として統制を取るのは簡単なことではありません。それに加え、インドネシアと日本では「働く」ということに対する考え方や習慣が異なるのは当然のことです。

インドネシアの場合、イスラム教徒が多く、お祈りなど宗教関連行事が多い特徴があります。また、「会社で働いて給料をもらう」という社会の仕組みになってからまだ歴史が浅い、という事情も知っておくべきでしょう。

日本とは異なる国で仕事をするわけですから、インドネシアとの「違い」をしっかり把握した上で、成果を最大化するにはどうしたら 良いか、ギャップを埋める適切な方法は何か、といった視点で解決を図るよう考えたいものです。