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インドネシアのインターネット経済

モバイル端末の普及と同時に、インドネシアのインターネット経済は驚異的な 速度で拡大しています。今後の発展予測と合わせ、現状を探ってみましょう。

インターネット経済の定義付け

インターネットを使った商業取引は、Eコマースと呼ばれるネットでの物品購入に目が行きがちですが、ネット上ではそれ以外にもさまざまなジャンルのやりとりがあります。これら全体をまとめて「インターネット経済(英語ではOnline Economy、あるいはDigital Economyとも)」と見なします。

Googleとシンガポールの投資会社・テマセク(Temasek)が毎年まとめている東南アジア域内インターネット市場の調査報告書 『e-Conomy SEA Spotlight 2018』は、「インターネット経済」の構成要素について、次の4つのサブセクターがあると定義しています。

インターネット経済「4つのサブセクター」
  1. Eコマース(オンラインショッピングの各種プラットフォーム)
  2. オンラインメディア(ネット広告、オンラインゲーム、音楽や動画のオンデマンド配信など)
  3. 配車サービス(GrabやUberなどのアプリによる配車、出前のオンライン注文など)
  4. オンライン旅行代理店(航空券やホテルなど予約、パッケージツアーやレンタカーの手配など)

出典:e-Conomy SEA Spotlight 2018

今後カバーされる可能性のある分野
Googleとテマセクは、今後「インターネット経済」にカバーされる分 野として次の4つを挙げています。

  • ソーシャルコマース……ソーシャ ルメディアを活用した電子商取引
  • 金融取引……フィンテック、仮想通貨取引など
  • ヘルスケア……健康維持に関わるデータ管理、ネット利用の遠隔治療など
  • 教育関連……オンラインレッスンなど

インドネシアにおけるインターネット経済規模

インドネシアにおける「インターネット経済」の市場規模ですが、『e-Conomy SEA Spotlight 2018』によると、2015年に80億ドル相当だったものが、2018年に270億ドル相当まで拡大。さらに2025年には1000億ドルに達するということです。またユーザー数などの統計は次のようになっています。

インターネット経済の市場規模
  • ネットユーザー数………1億3270万人(全人口のおよそ半分)
  • SNSのユーザー数………1億3000万人(全人口のおよそ半分)
  • モバイル端末保有者数…1億7790万人(全人口の約3分の2)
  • モバイルSNS利用者数…1億2000万人(全人口の45%)

出典:Hootsuite “Digital in 2018

国内(域内)総生産(GDP)における貢献度ですが、東南アジア全体で見ると2018年に2.8%ですが、これが2025年には8%に達するとの見方もあります。これは現在における先進国の水準とほぼ同レベルとなります。

インドネシアのみに限ると、2018 年に2.9%と東南アジア平均をやや上回っています。なお、シンガポールは3.2%、タイでは2.7%などとなっています。

インドネシアのEコマース

インドネシアではモバイル端末、ことにスマートフォンの普及により、Eコマースが急激に拡大しています。これについて 『e-Conomy SEA Spotlight 2018』では次のような調査結果を 明らかにしています。

ジャカルタにおける買い物の傾向

インドネシアにおけるEコマース(EC)拡大の度合いは ASEAN諸国の中でも群を抜いています。2015年から18年の3年間で17億ドル規模から122億ドル規模へとおよそ7倍に伸びていますが、これは約4倍に伸びた東南アジア平均に比べて突出しています。同じ時期に、シンガポールとマレーシアは2倍程度の伸びにとどまりました。

また、インドネシアのEC市場規模は2025年 には530億ドル相当に拡大するとみられています。これは東南アジア域内におけるEC市場のほぼ半分を占める格好となります。 インドネシアの主なECサイトには以下のようなものがあります。

インドネシアの主なECサイト
  • 地場系ECサイト
    • Tokopedia………インドネシアで最大。支払いシステムは同社が自ら管理。
    • Bukalapak…………C to Cのマーケットプレイス。小規模企業へのアクセスを重視。
    • Blibli.com………2011年設立のECサイト。Tiket.comを傘下に。
  • 外資系ECサイト
    • LAZADA…………シンガポールに拠点を構えるアリババ傘下のECサイト。
    • Shopee…………シンガポールに本社拠点、アジア7カ国で展開。
    • JD.com………中国・京東商場がインドネシアへ進出。無人スーパーも開設。
    • モノタロウ………日系企業が運営する資材購入の事業者向けECサイト。

インドネシアで大きくECが伸びた理由として、次のような背景があるとされます。

  • いつでもどこからでも買い物ができる。
  • 渋滞が厳しい中、買い物に出かける手間が省ける。
  • バーゲンセールが頻繁に行われる。
  • 遠隔地に住む、家族や友人への贈り物の手配に好適。

ECでの買い物の傾向を見てみましょう。JETROジャカルタ事務所が調査したところ、衣服や化粧品などの消費財については多くの人々が「1ヶ月に1回」程度、家電品をはじめとする耐久財の購入についても9割を超える人々がECでの購入経験がある、と回答しています。

インドネシアにおけるEコマースの総売上高と伸び予想

インドネシアのオンラインメディア

オンラインメディアとは、「音楽や動画のオンライン視聴」「オンラインゲーム」「オンライン広告」を総称した概念です。

「音楽や動画のオンライン視聴」に関してはiTunesYouTubeといった世界的なプロバイダーがありますが、インドネシアではそれ以外にも、地元テレビ局のライブ配信や、大手財閥CT Corpが運営するニュースポータル「detik.com」の利用者が多いようです。

また、「オンラインゲーム」はいわゆるネット上の対戦型ゲームが一般的です。2018年8月にジャカルタとパレンバンで開催され たアジア大会ではデモンストレーション競技として「eスポーツ競技」が行われました。

eスポーツとは
eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)とは、コンピュータゲームをスポーツとして捉える際の名称。欧米諸國では1990年代後半から普及しています。アジア大会では2022年から正式競技になることが決まっています。

「オンライン広告」は、インドネシアにはソーシャルメディア、ことにツイッターとフェイスブックの利用者が極めて多いことから、これらのツールを使って顧客候補層にアプローチしたり、ブランド認知を試みたりする動きが盛んとなっています。ビジネス成功のカギとして、オンライン上での顧客との接点を増やして行くことが今後さらに必要となって行くでしょう。

インドネシアにおけるオンラインメディアの市場規模は、2015年から18年の3年間で6億ドル規模から27億ドルへと4倍以上に伸びていますが、これは3倍弱の伸びとなった東南アジア平均に比べて大きな成長を見せています。同じ時期に、シンガポールとマレーシアは2倍前後の伸びにとどまりました。またインドネシアの オンラインメディア市場は2025年には80億ドル規模に拡大するとみられています。これは東南アジア域内のオンラインメディア市場の4分の1を占めることになります。

インドネシアの配車サービス

インドネシアにおけるモバイル端末を応用した新規ビジネスとして注目されているのが、スマートフォンのアプリを使った配車サービス(ライ ドシェアサービス、英語では(Ride Hailing)です。

顕著なものとして、バイクタクシーの予約システムとして2010年 にスタートした「GO-Jek」があります。インドネシアでは、昔からバイクタクシーのOjekが広く使われて来ましたが、「GO-Jek」はアプリを介することで予約が確実にできるだけでなく、支払い金額の明確化、バイク運転手と乗客が互いに身分確認できるといった新たな付加価値が受け入れられ、短期間でインドネシア全土にサービスが広まりました。2017年12月時点で週当たりの利用者数が1500万人を突破、現在の登録運転手は100万人近くに上っています。

現在では乗客を乗せるだけでなく、出前・宅配サービス、清掃員派遣などの派生ビジネスも展開しています。Googleやシンガポールのタマセク、地場財閥のアストラ・インターナショナルなどからの投資を受けた結果、企業価値は50億ドルを超える規模に成長しました。

「公認白タク」的な存在でもある
インドネシアには日本でいう営業用の「二種免許」は存在しない。「GO-Jek」も「Grab」も依然として一般の人がバイト的に運転する「公認白タク」的乗り物であることを認識しておく必要があります。
さらに、街中のインターネット接続の具合によって、呼び出した車の現在地がよくわからない、すでに迎車に来ているのに見つからない、といった問題も生じています。

インドネシアのオンライン旅行代理店

オンライン旅行代理店(OTA)は、東南アジアを含む世界的にシェアを広げつつありますが、日本では依然として伝統的な店舗を持つ旅行代理店経由の利用者が多いこともあり、なかなかOTAの伸びを体感することができないようです。

東南アジアでは、 OTA経由での旅行手配が2015年時点で全体の34%を占めていましたが、これが2018年には41%に増加。2025年には57%ま で拡大する見込みです。 インドネシアだけで見ると、市場規模は2015年に50億ドル、2018年に86億ドルに達しています。これが2025年には250億ドル規模まで高まると見られますが、これは東南アジア全体の3分の1近くを占める数字となります。

利用者が買い求める旅行商品にも変化が見られます。2017年 以前はOTA経由でホテルや航空券を手配する、ホテルチェーンのサイトで部屋を取るといった動きが中心でした。ところが、2018年以降は、長期滞在目的の貸し部屋の手配、体験型旅行の手配、ニッチなホテルを予約する顧客の増加などが見られるようになっています。 インドネシアでは、国際的なOTAであるエクスペディアBooking.comAgodaなどが一般的に使われているほか、地元のOTAとして「Traveloka」の知名度が高いようです。





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