2億4000万人の人口を擁するインドネシアの市場には、数多くの日系企業が 進出しています。近年の傾向としては、サービス業の進出が加速しています。
日系企業は1500社あまり
ジェトロ・ジャカルタ日系企業ダイレクトリー(2015ー16年版)によると、進出企業数は1,533社を数えます。首都ジャカルタと近隣で自動車産業の集積が進む西ジャワ州にその大半が集中する傾向があります。
分野別の日系企業進出状況
次に分野別の進出状況を見てみましょう。製造業が5割弱となっていますが、うち自動車関連が全体の14%と大きな割合を占めます。
一方、ここ数年の傾向ではインドネシアの人々が日本文化に触れる機会が以前と比べ圧倒的に増えていることから、飲食や小売りといったサービス関連企業の進出が増えています。ジャカルタのショッピングモールを訪れると、多くの日本のモノや飲食チェーンの店舗が目につきます。
- 耐久消費財
自動車 トヨタ、ダイハツ、ホンダ、三菱、スズキ、日産、いすゞ、日野 二輪車 ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ 建設機械 コマツ、日立建機、コベルコ、住友建機 電機 パナソニック、シャープ、エプソン - サービス産業
飲食 吉野家、ペッパーランチ、丸亀製麺、大戸屋、一風堂、ミスタードーナツ、ビアードパパ、はなまるうどん、Coco壱番屋 小売 ローソン、ファミリーマート、イオン、ユニクロ、無印良品 教育 ヤマハミュージック IT NTTデータ、エキサイト、モノタロウ、NEC、ソフトバンク 金融 銀行、損害保険、生命保険、リース、ローン等 - 一般消費財
生活用品 ライオン、マンダム、ユニチャーム、フマキラー、花王 食品・飲料 味の素、大塚製薬、ヤクルト、日清食品、キューピー、サントリー
インドネシアで広がる日本食外食産業
インドネシアでは、日本の飲食チェーンの店舗が着々とシェアを広げています。その進出エリアもジャカルタだけでなく、ベッドタウンとして開発が進むジャカルタ郊外の街、さらには ジャワ島第二の都市・スラバヤやスマトラ島メダンなど、地方の大都市に店舗展開する例も見られます。着実にインドネシアの人々に日本食の文化が拡がっていることが分かります。
ただ、インドネシア国民の大多数がイスラム教徒(ムスリム)という状況のため、現地の人々を対象とした店舗開設ではいわゆる「ハラール認証」取得というハードルを越えねばならない場合もあります。さらにインドネシア政府の国内産品保護の方針により、日本からの原材料や調味料の輸入手続きが難しいといった問題も存在します。
※インドネシアのハラルビジネスについてはコチラの記事もご覧ください。
インドネシアの食品輸入品規制
品目 | 規制内容 | 備考 |
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生鮮果実 | 輸入港の制限 輸入業者の制限 品目ごとの輸入量の制限 検疫対象 |
日本からの輸入は17品目に限定。17品目のうちリンゴ以外の貨物はジャカルタ港からの荷揚げ不可(主にスラバヤ港使用) |
生鮮肉類 | 輸入港の制限 輸入業者の制限 品目ごとの輸入量の制限 HALAL規制対象 検疫対象 |
MUIの認証を受けたハラル畜場にてと畜された牛肉のみが輸入可能。現在認証を受けているのは日本国内で1社のみ。 |
生鮮魚介類 | 輸入港の制限 輸入業者の制限 品目ごとの輸入量の制限 検疫対象 |
サーモン類、マダイ類、ヤリイカ類等の8種類のみの輸入が認められている。 |
加工食品 | 輸入港の制限 ML番号取得対象 |
BPOMより加工食品流通許可番号(ML番号)の取得義務あり。8か月程度必要。HACCP、ISO22000,GMPまたはそれに準ずる認証取得が義務。 |
酒類 | 輸入港の制限 輸入業者の制限 ML番号取得 |
BPOMより加工食品流通許可番号(ML番号)の取得義務あり。8か月程度必要。HACCAP、ISO22000、GMPまたはそれに準ずる認証取得が義務。指定の輸入業者は15社程度に限る。 |