インドネシアの貿易収支は2020年5月から59カ月連続で貿易黒字を達成してきた。2025年3月時点で44.3億米ドルの黒字を記録しており、同年2月比では12.3億米ドルの増加。メイバンク銀行の国際市場エコノミストであるミュルダル・グナルト氏は5月13日、石炭、パーム油などの輸出価格下落や貿易関税の動向に伴って4月の貿易収支は13億米ドル程度に落ち込む可能性を指摘した。一方で、米中貿易摩擦への懸念は後退しているため、インドネシアへのポジティブな影響が期待されている。
ブライト経済研究所の経済学者ヤヌアル・リツキ氏も、4月以降インドネシアの貿易黒字が減速するとの見解を示した。米国との相互関税問題によってエネルギー関連の輸出価格が下落していることに加え、中国から米国へのサプライチェーンが混乱している影響で、インドネシアによる非商品輸出用の原材料調達(輸入)に支障がでていることも貿易収支に影響しているとの見方を示した。