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住宅300万戸計画に潜む課題、低所得層の需要に対応を

インドネシアの住宅不足は、2024年時点で約980万戸に達し、今後も増加が見込まれている。プラボウォ政権は国家戦略の一環として、300万戸住宅プログラムを掲げているが、現行政策の多くが供給サイドに偏っており、実際の需要、特に低所得層の購買力への対応が不十分であると専門家は指摘している。

統計庁の2024年国民社会経済調査(Susenas)の調査によれば、住宅未所有世帯の84%が月支出750万ルピア以下の低所得層(MBR)に属し、住宅価格の上昇と所得の停滞により購入が困難な状況にある。また、未所有世帯の約44%は非正規就労者であり、銀行融資の利用にも制約がある。需要を喚起するため、政府には銀行融資以外の信用制度の導入や、若年世代(特にミレニアル)の志向に合わせた住宅設計・立地選定、さらには都市部の低所得者向け長期賃貸住宅制度の導入など、より柔軟で包括的な政策が求められている。