インドネシアのヌサ・トゥンガラ・バラット州に位置するスンバワ島には、一般的な紙巻き煙草とは一線を画すユニークな伝統煙草が存在する。それが、乾燥させたロンタル椰子の葉でタバコ葉を巻き上げる「ロコック・ジョンタル」である。
その製作工程には職人の丁寧な手仕事が込められている。まず、ロンタル椰子の生葉に付着した細かい産毛を取り除くため、刀やナイフで表面を綺麗に削ぎ落とす。そのあと、太陽の下で丸一日天日干しにし、長さ10〜20センチ、幅指3本分ほどの大きさに切り揃える。この乾燥葉を2枚ほど使用してタバコ葉を丁寧に巻き込み、仕上げに細く割いた椰子の葉やタバコ葉自体で解けないようしっかりと結び留めるのだ。
火をつけると、煙が喉を通る瞬間にロンタル椰子独特の芳醇な香味が口いっぱいに広がる。市販の煙草に比べて刺激が非常に強く、吸い慣れていない者であれば喉に強烈な痒みや刺激を覚えるほどワイルドな吸い応えが大きな特徴である。スンバワの豊かな風土と素朴な手仕事の温もりが息づくこの煙草は、島民の暮らしに今も深く根付いた味わい深い伝統文化そのものといえる。
もうひとネタ!
巻紙から結び紐にまで椰子やタバコ葉を用いた100%自然由来の手作りの一品。一本ずつ異なる素朴な仕上がりに、現地に息づく温かな手仕事の伝統が込められている。
















