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オフィスで働くインドネシア人従業員の採用

ここではホワイトカラーと呼ばれる、主にオフィスで働くインドネシア人従業員の採用について、インドネシアの人材市場の特徴、人材採用の手順とポイント、正社員と契約社員の違いを概説します。

インドネシアの人材市場の特徴

日系企業は「給与が低くて優秀な人」「なんでもやってくれる人」「すぐに転職せず、長く会社で働いてくれる人」がよく求められますが、インドネシアでこのような人材を採用することは簡単ではありません。

優秀な人材は売り手市場なので給与が高い

まず、インドネシアで4年制大学を卒業している就労者の割合は約10%、3年制の専門学校を加えても13%程度であり、そのなかでも本当に優秀な人材は一握りです。人口が多い割に優秀な人材が非常に限られるため、優秀な人材は売り手市場で、高い給与の採用にオファーが集まります。

仕事は縦割りで専門分野に特化したキャリア形成が一般的

次に、インドネシアには日本のようにジョブローテーションを経験しながら会社全体の仕組みを理解するような文化がなく、大学や専門学校で専攻した分野や就職時に配属された職種を専門にキャリアを積み上げることが一般的です。そのため、専門分野以外の仕事はキャリアを阻害してしまうと考える人や、他の人がやるべき仕事だと縦割りで考える人が大多数です。

キャリアアップのための転職に積極的

3つめとして、インドネシアでは現在よりも条件の良い会社があれば積極的に転職する人が多く、よほど条件が良い会社でないと1社でずっと働きたいと思う人は稀です。そのため、うまく人材を管理をしないと、気づけば意識が低い従業員ばかりが残ってしまっているという会社も少なくありません(※)。

優秀な人材に長く働いてもらうためには、会社も従業員に今後のキャリアプランを示す、風通しの良い会社の雰囲気づくりを行うなど、努力が必要です。

人材採用のための手順とポイント

①募集要項の決定

まずは募集するポジション、仕事内容、求める言語・能力・知識・経験・年齢層・性格、予算、雇用形態(正社員・契約社員)、待遇条件、それから採用予定日についてまとめる必要があります。このとき「絶対に譲れない条件」なのか「できれば希望したい条件」なのかも明確に分類しておきます。この条件が厳しすぎると人材が見つからない可能性があるので、おおよその人材市場については把握しておかなければなりません(※)。

会社の体制が整ってくると、社内の規定は「就業規則」や「労働協約」、各ポジションの給与額は「賃金テーブル」、業務内容や求められる条件などについては「ジョブデスクリプション(職務明細書)」で定められるので、募集要項はある程度決まってきます。

②人材募集

次に人材募集ですが、「JobStreetjobsDBのような就職・転職サイト」「SNS(Facebook、LinkedInなど)での募集」「従業員や知人による紹介」「大学などでのジョブフェア(合同就職説明会)」「人材紹介会社による斡旋」など、様々な方法があります。それぞれにメリットやデメリットがあるので、募集する人材の特徴などをもとに募集媒体を選ぶと良いでしょう。

こうした一連の採用活動をインドネシア人の人事担当者に完全に任せられるようになるまでは、人材紹介会社を利用することが望ましいとされています。理由は、インドネシアの人材市場、労働関連法、他社事例などについて相談ができるほか、人材募集・選考・交渉の面倒なプロセスが大幅に省けるからです(※)。

(※)ブラックリストを持っているので悪質な求職者を採用してしまうリスクが抑えられたり、社内の従業員に知られないよう内密に人材募集することができることも人材紹介会社を利用するメリットです。また、成功報酬型のため、最終的に人材紹介会社を通して採用者が決まらなかった場合には 費用が一切発生しません。

③履歴書・応募書類の確認

求職者から履歴書や職務経歴書などの書類を受け取ったら、まずは募集要項に当てはまっているかを確認します。就職・転職サイトやSNSからの応募だと、条件から大きく外れた応募も少なくありません。

また、すでに退職した会社から発行されるレファレンスレター(在籍証明書)があれば職歴と照らし合わすことができるので参考になります。反対にレファレンスレターがなければ前職で問題を起こして退職している可能性も考えられます(※)。

(※)応募書類を見ると求職者の人柄や経験値がイメージできてしまいますが、実際は会ってみないとわからないことのほうが多いので、募集要項に大きく外れていなければ時間の許す限り会ってみるといいでしょう。

④面接

コロナ禍以降、オンラインで面接を行っていましたが、現在は対面での面接も行われています。面接は1名につき30分から60分くらいが目安で、二次面接、または三次面接までで採用者を決めることが多いようです。

文化や習慣が異なる候補者を限られた時間で見極めなければならないため、事前課題、計算問題、適性検査を実施するなどといった工夫が必要なケースもあります(※)。

(※)入社後に思っていた会社と違ったという理由ですぐに会社を辞められないよう、会社の雰囲気や仕事内容についてはしっかりと説明しておくことが大切です。また、インドネシアでは感染症も多いので、採用者を確定するまでに健康診断も忘れずに実施しておきましょう。

⑤内定通知書の提示

採用希望者が決まれば、採用条件をまとめた内定通知書を提示します。これに候補者から同意の署名が入ると採用が決定し、 あとは入社日を待つだけとなりますが、候補者の都合によって署名後に急遽キャンセルになってしまう事もあるので、油断はできません。

そのようなケースに備え、面接の過程で第二候補がいれば、すぐに不採用の連絡をせずに確保しておくのも一案です(※)。

(※)候補者は内定を受けてから現在働いている会社に退職の意志を伝えるため、そこで強い引留めに合う場合や、複数の会社で面接を受けていて内定通知書に署名した後でも他社からもっと条件の良い内定を受ければ心変わりしてしまう場合もあります。

⑥雇用契約書の締結

雇用契約書を締結することで、はじめて正式な雇用関係が発生します。入社日までに締結する必要がありますので、面接をはじめる頃には用意しておきましょう。

インドネシアの労働関連法を守った上で、インドネシア語とラテン文字で作成しなくてはならないため、日系企業ではインドネシア語と日本語の併記で作成されることが多いです。ただし、その場合でも内容に相違があった場合に有効なのはインドネシア語ですので、翻訳に間違いがないか注意が必要です。

また、インドネシアでは外国人は人事に関係する業務ができないことになっているので、雇用契約書には日本人を含む外国人が署名してはいけません。雇用契約書への署名を日本人がしてしまうと、労働局の査察時に人事業務を行った証拠として指摘されてしまうケースが多くあります。

⑦入社・勤務開始

以上のプロセスを経て、ようやく入社日を迎えることができます。どれだけ細心の注意をもって見極めても、実際のところ一緒に働いてみるまで本当に優秀な人材かはわかりません。また、本人の実力が発揮できるかどうかは会社によるところも大きいので、採用した人材が活躍できるような取り組みも重要です。

正社員と契約社員について

正社員

正社員は労働者からすると最も安定した、人気のある契約形態です。あらゆるポジションの人材に対して適用でき、基本的には定年年齢を迎えるまで雇用関係が継続されます。インドネシアでは、正社員の解雇が難しいと言われており、雇用関係が終了する際には「雇用関係終了の理由」「勤続年数」「給与額」に応じた退職金が発生するのが特徴です。

また、雇用契約書に規定することで3ヶ月間までの試用期間が設定でき、その間に限っては会社も従業員も無条件で雇用関係を終了することが認められています。新しく従業員を採用する場合には、この3ヶ月でしっかりと見極めなければなりません。

契約社員

一方で契約社員は、「恒常的ではない一時的な業務」「季節的な業務」「新規プロジェクトなど今後継続するかわからない業務」に対してのみ適用できます。

契約期間は、オムニバス法の施行以降は何回でも延長出来るようになり、最長5年間までとなっています。契約満了毎に補償金(※)が支払われます。

また、契約した期間の途中で雇用関係を一方的に解約すると契約期間に応じた給与額の違約金を支払わなければならない点についても気をつけましょう。

(※)補償金は勤続期間1ヶ月につき、【補償金=固定給÷12】
※12ヶ月で固定給1ヶ月分
 外国人労働者は対象外

 

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