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インドネシアEV市場、25年第1四半期に急成長

インドネシアの電気自動車(EV)市場が2025年第1四半期、前年同期比43.4%増と急成長した。会計事務所PwCの報告書によると、EV販売台数は2万7616台に達し、純粋EV(BEV)は152.5%増、プラグインハイブリッド車(PHEV)も44.8%増と大幅に伸びた。

この急成長の背景には、政府による優遇政策が挙げられる。2025年を通じてEV輸入・販売への物品税(PPnBM)100%免除、付加価値税(PPN)免除の延長措置が実施されている。加えて、インドネシアは世界最大のニッケル埋蔵量を活かし、EVサプライチェーンの構築を推進している。政府は2027年までに世界第3位のEVバッテリー生産国となり、2030年には国内で60万台のEV生産、200万台のBEV走行を目指す。

しかし、報告書は全体市場の課題にも触れている。2025年1月のPPN増税(11%→12%)による価格上昇、高金利、経済不安定が消費者の購買意欲を抑制している。EV市場は好調ながら、全体では過去2年間、経済不安定、高コスト、消費者の節約志向により、軽自動車販売は減少傾向にある。PwCは、外資投資、優遇税制、充電インフラ整備など、EV市場の成長余地は依然として大きいと分析している。