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時代とともに消えゆくブタウィの伝統料理クラック・テロールの歴史

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ブタウィ人の伝統文化の保護は、重要な課題であり、当然そこには食文化も含まれる。「ブタウィ・オムレツ」とも呼ばれる「クラック・テロール」は、代表的なブタウィ族の伝統料理のひとつである。

オランダ植民地時代にはバタビアと呼ばれていた、現在のジャカルタにあたる地域には、たくさんのココナッツの木があった。豊富なココナッツの実をブタウィ族がスナックに加工したものが、クラック・テロールの起源だという。1970年代にはモナス周辺の路上にクラック・テロールの売り子が出現し始め、その数は増加したが、現在となっては売り子の数は激減している。

1968年よりクラック・テロールを販売してきた売り子の4代目、イシャクさんはその伝統を守ろうと、毎週末SCBDでクラック・テロールを販売している。コロナ禍では道端での販売も禁止され大変な思いもしたが、クラック・テロールは屋台で売られるべき料理であると、現在も伝統文化の維持に努めている。クラック・テロールの特徴は、米と卵を混ぜた歯ごたえのある生地の食感と、ココナッツの香ばしい風味。出来立ての熱いうちにいただくのが暗黙のルールだが、もち米が冷めても硬くないように炊き上げているイシャクさんのクラック・テロールは、テイクアウトして自宅で温め直しても食べても美味しいそう。