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インドネシアのビザの種類・取得方法について

インドネシアでの就労や居住には、長期滞在者用のビザが必要です。種類と申請の流れについて知っておきましょう。

インドネシア滞在のビザの種類

インドネシアのビザは大きく「訪問」と「滞在」に分けられています。

新規に設立するインドネシアの拠点に、日本人社員を駐在者 として派遣、あるいは現地社員として雇用するためには、「滞在許可」と「就労許可」を取得する必要があります。

滞在許可にはいくつかの種類がありますが、外国人就労者が取得すべきものは、
就労目的の限定滞在ビザ(インデックス番号312)
限定滞在許可(ITAS)
就労許可(NOTIFIKASI)」 です。

なお、インドネシアでの外国人就労に関する規定をめぐ り、政府の方針が二転三転したり、ルールは決まったものの実 際の現場運用が違うという状況が往々にして起こっています。最新の政策・ 規定に沿った情報は各コンサルティング会社に確認されることをおススメします。

ビザ申請手続き
長期滞在者用ビザ申請にかかる 一連の手続きは、提出書類が多岐に渡り、煩雑な点が多いのが現状。したがって、現地のエー ジェントやコンサルタントに手続きを依頼することが一般的となっ ている。 またインドネシアは、制度や手続き方法の変更などが頻繁に起き るため、申請の際は、関係機関や 専門家に最新情報を確認することがが望ましい。
ビザ取得に関する新規定
2018年に新しい労働大臣規 定と法務人権大臣規定(イミグレ規定)が施行された。外国投資促進のかけ声の下、就労ビザ取得手続きの簡素化を図ったものである。これにより労働省 TKA ONLINEとイミグレ局VISA ONLINEの両方のシステムが改 変され効率化に向けて動き出した。

ビザの種類

  • 1.訪問ビザ

訪問ビザは全部で3種類ありますが、いずれも就労する事はできません

  1. シングルビザ(211A/211B)
    目的:商談・会議・211B※で監査、検査、品質管理(製造会社訪問は211Bの取得が必要)
    滞在可能期間:60日間
    ※最長6か月までの延長は可能。
  2. マルチプルビザ(212)
    目的:商談・会議・211B※で監査、検査、品質管理(製造会社訪問は211Bの取得が必要)
    滞在可能期間:1回の滞在は60日まで。
    ※最長5年までの延長は可能。
  3. 到着(Visa On Arrival)ビザ(213)
    目的:観光、商用訪問(会社訪問、商談、会議出席等の目的で就労を伴わないもの)、社会文化訪問(親族、社会文化団体などへの訪問)
    滞在可能期間:30日間
    ※1回のみ延長可能。期限14日前から延長申請が受付けられ、申請後にイミグレ局への本人出頭が必要。
ビザ未取得の入国
ビザを取得せず入国した場合でも30日以内の観光であれば滞在可能です。ただし、期間を延長する事はできません。
  • 2.滞在ビザ

滞在ビザであっても就労が認められているのは特定のビザのみなので、注意しましょう。

  1. 就労ビザ(312)
    目的:就労
    機械・設備等の据付、調整、修理、保守。自席をもった執務や会社書面への署名、捺印。一ヶ月を超える監査、審査、品質管理。
    滞在可能期間:長期は7~12ヶ月。短期は1~6ヶ月。長期のみ1年単位で延長が可能。原則、最長5年間まで。
  1. 帯同ビザ(317)
    目的:312ビザで入国した駐在員の家族の帯同
    滞在可能期間:駐在員が持つ滞在許可の期限内
  1. 留学(316)リタイアメント(319)など
    目的:留学やリタイヤ後のインドネシア滞在
    滞在可能期間:ビザによって異なる

訪問ビザでできる活動についての補足

  • 212マルチ訪問でできる活動
  1. 親族訪問
  2. 社会訪問
  3. 芸術、文化活動
  4. 政府用務
  5. 商談
  6. 物品買付
  7. セミナー参加
  8. 国際展示会への参加
  9. インドネシアでの本社又は代 表事務所で行われる会議への参加
  • 211Bシングル訪問できる活動
  1. 商業目的でないスポーツ
  2. 比較研究、短期講座、短期研修
  3. 緊急且つ差し迫った業務の実施
  4. 工業品の品質とデザインの向上に向けた産業技術の適用と革新の ための育成、指導、訓練の実施やイ ンドネシア向けの海外販売協力
  5. インドネシアにある支社の監査、生産品質管理或いは検査
  6. 外国人労働者候補者の勤務能力トライアル

目的に合っていないビザで入国するとトラブルに

インドネシア当局は、しばしば外国人の活動状況を監査しに自宅や会社を訪れます。決められた目的の範囲外の活動を行っていると判断された場合、活動内容不適合で罰則が課せられる可能性があります。

その違反の状況により罰則の内容は異なりますが、適応規定「入国管理に関する法律2011年第6号第122条」によると「最高5年以下の懲役及び最高Rp.500,000,000.-の罰金刑」とあります。ご注意ください。

ビジネス出張は211/212/VOA到着ビザ/APECカードが有効

商談、会議の目的であれば、211シングルビザ、212マルチプルビザ、到着ビザ(VOA)のいずれかで対応可能です。

但し、製造会社訪問には211Bシングルビザが求められていますので注意が必要です。また、211Bでは一ヶ月未満の監査、審査、品質管理の目的でも取得が可能です。
必要書類が揃い申請開始してから211/212ビザが発行されるまでの所要時間は約1~2週間です。
APECカードでの入国でも商談、会議が可能です。APECカードは日本の外務省へ申請して取得するものです

駐在員または技術支援者は312就労ビザが必須

312就労ビザには長期(7~12ヶ月)と短期(1~6ヶ月)の二種類があり、滞在予定により月数を指定することが出来ます。

一般的には延長可能な長期は駐在員向け、延長不可の短期は技術支援者向けに使われています。
労働省での要件審査に時間がかかり、申請開始から312就労ビザが発行されるまでに約1.5ヶ月の所要時間が必要です。申請開始のタイミングや所要時間を考えて、入国予定日を設定しましょう。

家族は317家族帯同ビザを取る

駐在員の配偶者や子供(17歳以下)は317家族帯同ビザを取得します。
駐在員の滞在許可を前提として取得するもので、家族である事を証明するために英文戸籍謄本(Family Register)などの書類の提出が求められます。

317家族帯同ビザでは就労は出来ません。インドネシア滞在時に配偶者が就労したい場合には、317家族帯同ビザではなく、312就労ビザを改めて取り直す必要があります。

外国人就労ビザ取得の流れ

次に日本人はもちろん、外国人が就労ビザを取得するまでの流れを簡単に説明していきます。

1.外国人雇用計画書(RPTKA)の申請

外国人従業員(日本からの駐在員を含む)の雇用を予定する企業は、外国人の数、役職、任期、賃金、勤務地、組織図に加えインドネシア人従業員への教育計画などを労働省に提出し、就労枠の承認を得ます。

2.通知書(NOTIFIKASI)の申請

・RPKTAの承認を得た後、労働省に対して「就労許可」の意味あいを持つ通知書(NOTIFIKASI)の申請を行います。
・このステップで人物審査承認を行うので、申請の際には本人の履歴書や卒業証書等の個人書類を提出します。
・手続きの主旨はその役職に相応しいかどうかを審査し、就労許可を出すか否かとその許可期間を決定することです。
・承認後、外国人労働者雇用補償金募金(DHP-TKA)の支払い通知所NOTIFIKASIが発行されます。

3.外国人労働者雇用補償金基金(DKP-TKA)の支払い

・DKP-TKA(旧DPKK)の支払い通知書NOTIFIKASIが発行されたら第3営業日以内に、指定金融機関へ納付します。
・金額は、外国人労働者1人あたり月USD100ドル×就労月数です。

4.就労許可(NOTIFIKASI)の発行

・DKP-TKAの支払いが確認されたら、NOTIFIKASIが発行されます。
・NOTIFIKASI発行後、データが労働省システム(TKAオンライン)から入国管理総局システム(ビザオンライン)へ送信されます。

5.312就労ビザの発行

・労働省からのデータを受信した入国管理局は、ビザ発給許可の審議を行います。
・ビザ発給許可が出たらVISA ONLINEシステムを通じて312eVISA(就労ビザ)が電子的に発行されます。
・312eVISはpdfデータで申請者に届きますので、それを印刷しておきます。
・312eVISAの有効期間は90日です。発行日から90日以内に入国を果たします。

6.入国

・空港にて入国審査を受けます。その際、パスポートと312eVISAを提示します。

7.限定滞在許可(ITAS)の申請

・「312就労ビザ」をもった外国人は、主要空港からの入国時に「限定滞在許可 (ITAS)」および「数次出国再入国許可 (MERP)」の取得手続きを行います。
・空港の入国審査カウンターにおいて、写真撮影、指紋採取をすることによりその場で「STAY PERMIT & RE-ENTRY」のシールをパスポートに貼付されることによって一旦完了です。このシールがITAS&MERPです。
・暫くするとITASの電子版であるITAS ELEKTRONIKが申請者宛てに届きます。それを
常時携帯しておきましょう。

「eVISAとは
「eVISA」とは、コロナ禍の2020年10月から運用が開始されたもので、インドネシア本国の入国管理総局からpdf形式の電子ファイルで、申請者であるスポンサー会社(現地法人/駐在員事務所)宛てに送られてきます。

これにより、従来のように在外公館(在東京インドネシア大使館/在大阪インドネシア領事館)でビザ申請をすることは不要となりました。

「eVISA」のpdf形式ファイルを印刷して、空港の入国審査カウンターでパスポートとeVISA印刷物を提示することになっています。

コロナ禍において運用が開始されましたが、コロナ禍収束後も継続的に運用されていくかは未だ判りません。利便性の高い運用制度なので、このまま継続していくことを願っています。