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前回、関係が最も冷え切った組織で、残ってほしい人から関係を「繋ぎ直す」ポイントをお伝えしました。残ってほしい人との関係構築は重要であり、組織づくりは個人との対話から始まりますが、個人個人への個別の働きかけだけでは組織力は高まりません。そして、組織力の軸(共感の軸)をつくらなければ、人が辞めない強い組織は生まれません。今回は、組織力が高く、方針などにも運動神経良く動ける状態を「取り戻す」ための具体的な取り組みを解説します。
「アイデアを出したのに、権限がなく現場止まりになってしまう」
「上司とは合意できたのに、他のメンバーが動いてくれない」
「声を上げた社員が孤立し、真っ先に辞めてしまった」
約束と実行を積み重ねて経営・管理職への信頼が戻り始めると、現場は会社の変化に対する期待が高まってきます。
指示を待つ段階から抜け出し、「こういうことをやりましょう」と提案する機会が出てくることもあるでしょう。ただし、共感して実行する人は一部に限られ、声を上げても提案はなかなか広がりません。そのため、声を上げた人は孤立を感じ、「この組織は変わらない」と諦めて去っていきます。
この状態を変えるポイントは、現場の変化に対するスポットライトとグループダイナミックスを意識した認識変化です。
望ましい変化を見せた行動や人材に対して賞賛することで明確なOKラインの基準を提示し、望ましいこととして全社的に認知を広げていくことが重要です。
その際に重要なのが、経営・管理職と同じく組織を動かす「リーダーの存在」です。基準は「年齢」や「勤続年数」ではなく、「影響力の強さ」や「未来を任せたいかどうか」で見極め、そのリーダーを中心に各現場で小さなムーブメントを起こし続けることです。
年功序列の文化が根強いインドネシアにおいては、序列の逆転を伴う登用のハードルは非常に高いと思いますが、役職ではなく行動にフォーカスして、望ましい行動のパラダイムを変えることは可能であると考えています。
ただ、現場に任せっぱなしにせず、対話を重ねながら手厚くフォローすること。そして、声を上げた人を孤立させず、一緒に組織をつくることも同時に必要です。反対に、「あとは任せた」と距離を置くと、リーダーは孤立し、声を上げた人が去る状態に逆戻りしてしまいます。
こうして経営・管理職・リーダーが一体となって組織を変える経験を重ねると、現場の意識は「言ったらやってくれる」から「自分たちもやれば変えられる」へと変わっていきます。その中で手厚くフォローされたリーダーは、「上司が未来を作ってくれる」と待つ側から、「自分がこの組織の未来を作る」と変化を起こす側へ変わり、辞めにくくなります。
しかし、それだけで離職が止まるわけではありません。「自分たちでも変えられる」と思えても、他にやりたいことや、より成長できる機会があれば、優秀な人材は転職を選びます。次に必要なのは、この会社に残り続けたいと思える「組織の強み」を磨くことです。
次回は、組織の強みを「磨き続ける」ポイントをお伝えします。















松木 翔彦
リンクアンドモチベーショングループ入社後、大手企業向けコンサルティングに従事し、クラウド部門の立ち上げに参画。2025年よりタイ拠点マネジャーを務め、2026年よりPT. Link and Motivation Indonesia代表取締役社長に就任。