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ラマダン入りを迎えたインドネシア 周囲のイスラム教徒への特別配慮も

4月3日からインドネシアはイスラム教の重要行事の一つである「ラマダン(断食月)」に入った。今後約1か月の間、日の出から日没まで、イスラム教徒は一切の飲食、喫煙を絶つ。みだらな妄想や日中の夫婦間の契りもその対象となる。

イスラム教徒にとっては「イスラム教徒同士の紐帯感確認」「飲食物への感謝」「飢えた人々への共感」「唯一神アッラーへの宗教心の確認」などの意味があるとされ、信仰告白、礼拝、喜捨、巡礼と並ぶ重要行事となっている。

過去に1度だけ「何事も経験」「イスラム教徒の友人との共感」を求めて約1か月、断食を体験した。そして分かったことは、断食月なのに断食月明けのころには「体重が増加」していたことである。毎朝午前3時過ぎから調理して朝食を済ませるのだが、日没までのことを考えて過飲食となる。日没後も同様で結果体重増となる。

断食月に関して、日本人など「異教徒」はそれなりの配慮をすることが求められている。イスラム教徒のインドネシア人は多くが「気にしないで普段通りでいいですよ」と言ってくれるが、断食中のインドネシア人の面前での飲食、喫煙は基本的に自粛する方がいいだろう。さらに日没前の断食終わりには、イスラム教徒はまず水を飲んで渇きを癒し、甘いものなどを飲食する。仕事中であれなんであれこうした時間を許容することは大事である。普段は飲食禁止のジャカルタのMRT車内でもこの時は水を飲むことを禁じてはいない。

ジャカルタ中心部の改装前のサリナデパート1階にあった「マクドナルド」は断食中、白いカーテンで外部から内部がみえない配慮をしていた。その理由は「断食中の外部のインドネシア人に飲食する内部を見えないようにするため」と言われていたが、インドネシア人は「いや、そうではなくこっそり中で飲食しているイスラム教徒を隠すためだよ」と解説していたが、真相は不明だ。

イスラム教では高齢者、幼児、病人、生理中の女性、海外旅行者などは断食の義務を解除されるという。様々な理由で断食ができなかった日数に応じて普段断食日を送って「帳尻合わせ」をするなど、断食も柔軟であるところがインドネシアらしいといえるだろう。

夕方になると街中には断食後に口にする甘い「コラック(汁粉)」や主婦による惣菜が売られている。これがまた美味しい。

執筆:大塚 智彦
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞シンガポール支局長などを経て2016年からフリーに。
月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などにインドネシアや東南アジア情勢を執筆。ジャカルタ在住。
※本コラムは筆者の個人的見解を示すものであり、PT KiuPlat Media社の公式見解を反映しているものではありません。





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