ロシアによるウクライナ侵攻がインドネシアのセメントや肥料産業に打撃を与えている。セメント事業を手掛ける国営セメン・インドネシア・グループと肥料事業を手掛ける国営ププク・インドネシアは先に、国会での公聴会で、ウクライナ危機以降、石炭やクラフト紙、肥料向けの一部化学品の安定的な確保が困難になっていると説明した。
セメン・インドネシア・グループによると、国際石炭価格の高騰により、多くのセメント生産者が燃料の確保に苦慮している状況である。またセメントの袋の原材料となるクラフト紙についても、同社はその多くをこれまでロシアから輸入してきたが、ウクライナ危機によりクラフト紙の供給がストップしてしまったという。
ププク・インドネシアは、肥料の原材料となるリン酸二アンモニウムや塩化カリウムの確保が難しくなっている。同社はリン酸二アンモニウムの大半をロシア、塩化カリウムの大半を中国から輸入してきた。