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地域の人々に守られるラジャ・アンパットのサンゴ礁

インドネシア東部、西パプア州にあるラジャ・アンパット諸島は、サンゴ礁の保護活動の最前線で重要な役割を果たしている。

4つの大きな島から成るラジャ・アンパットは、世界で確認されているサンゴ礁の約75%が生息する「コーラル・トライアングル」のおよそ中心に位置する。地球上で最も生物多様性の高い海域として知られるコーラル・トライアングルは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、東ティモール、ソロモン諸島の6ヵ国の海域にまたがる。この6ヵ国は、海洋および沿岸資源を維持するために協力する多国間パートナーシップであるコーラル・トライアングル・イニシアチブ(CTI)を組織している。

ラジャ・アンパットのバタンタ島イェンサワイ村の沿岸では、2021年3月にCTIの活動の一環として、人間の破壊的行動により損傷を受けた300平方メートルのサンゴ礁エリアに、合計1600片の稚サンゴが移植された。

イェンサワイ村出身の27歳のサレオさんは、以前はカリウムを使用した漁業によりサンゴ礁が破壊されているのを目撃していたというが、今では海洋公園のようで、魚もたくさんいると話す。

またCTIは、持続可能な天然資源の保護と保全に最前線で取り組むためには、地域の人々の関与が重要であるとし、地域の人々への教育や指導にも取り組んできた。

村人のサレオさんは早い段階からサンゴ礁保護プログラムに参加していたが、当初は動物の一種であるサンゴをただの岩だと考える村人も少なくなかったといい、この取り組みは容易ではなかった。今日では、地域の人々のサンゴ礁や海洋生態系に対する知識は徐々に向上しているという。

サレオさんは他の村人らとともに、週に2回、移植されたサンゴが順調に成長しているかを確認し、4カ月ごとに測定を行っている。イェンサワイ村のサンゴ礁は、頼もしい地域コミュニティによって守られ続けるだろう。