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ウクライナとロシアの和平仲介 インドネシアが乗り出した真相

ジョコ・ウィドド大統領は6月29日から7月1日にかけて戦争中のウクライナとロシアを訪問し、ゼレンスキー大統領とプーチン大統領との首脳会談に臨んだ。このニュースに接したときなぜインドネシアがウクライナ・ロシアの仲介、と疑問に思ったものだ。東西両陣営と距離を置く立場ながら遠く離れた彼の地での戦争の仲介に乗り出す動機は何なのだろうと訝しく思った。

6月26日からドイツで開かれたG7(先進国首脳会議)に招待されて参加後、ドイツからなら近いウクライナ、ロシアを訪問したのだったが、単なる物理的距離だけでなく、アジア・アフリカを含めた全世界が直面している食糧難への打開策を模索することで点数を稼ごうとしたインドネシアならではのしたたかな計算があったとみられている。

世界有数の穀物生産量を誇るウクライナは黒海沿岸の輸出港がロシアの妨害に遭い、世界的な食料不足を深刻化させている。

このためジョコ・ウィドド大統領に「食糧回廊」の設置をプーチン大統領は言及したが、これまで何度も表明しながら実現していないため今回も実質的な成果は得られそうもない。

ウクライナは劣勢で戦争を継続中で喉から欲しいのは軍資金や最新鋭の武器であり、それを断ったとされるインドネシアにはおそらく何も期待していないだろう。

しかるに今回のジョコ・ウィドド大統領の両国訪問は自国向け要素の強いパフォーマンスであるとの指摘を否定しがたいのも事実だ。

一部には欧米側やロシア・中国側に外交的に与さない遠来の国インドネシアにこれまでとは異なるアプローチを期待する向きもあるが所詮は外交辞令だろう。

そもそも戦争や紛争の仲介は当事者間を往復して意見や主張を調整する「シャトル外交」が基軸となるが、インドネシアにフォローアップしようという意欲は感じられない。

ウクライナ、ロシアは遠路はるばる(実際はドイツからだが)訪れたジョコ・ウィドド大統領への敬意を表しながら「体良くあしらった」というのが真相だろう。

インドネシアには荷が重すぎる国際社会の主要テーマに首を突っ込むよりASEAN域内の最大の治安課題であるミャンマー問題への和平仲介に徹してみたらどうだろうか。もっともミャンマー問題への調停も当初ほどの熱意が感じられず、11月にバリ島で開催のG20首脳会議にウクライナ、ロシアの首相を招くことしか念頭にないようである。

 

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