コロナ禍を経て、ゴジェックやグラブ、ショッピーなどのフードデリバリーは、インドネシアの人々が好むサービスのひとつに成長した。フードデリバリーの拡大により、消費者はアプリを通して様々な料理を注文できるようになり、また屋台やレストランなどの飲食店は商売エリアの拡大に成功した。しかし今、消費者の間ではフードデリバリーの価格が徐々に上がってきていると嘆く声が広がっている。
消費者がそう感じる理由は、送料割引などのプロモーションが少なくなってきていることや、食品と送料以外に追加料金の支払いが必要になったことなどがある。実際にゴーフードでは、プラットフォームフィーとして3000~4000ルピア、パッケージングチャージとして1000~7500ルピアの支払いが発生する場合がある。グラブフードやショッピーフードでも同様である。プロモーションの減少に加えいくつかの追加料金が積み重なった結果、消費者が支払う合計金額が以前よりも上がっているのだ。
マーケティング評論家のユスウォ・ハディ氏は、背景としてロシア・ウクライナ問題や世界中のインフレなどの危機により世界経済が混乱しており、スタートアップ企業は資金調達が困難になっている点を説明した。運用コスト削減のため従業員の解雇などを行う企業のニュースも耳に入るが、特にフードデリバリーにおいては、調達資金に依存した低価格戦略を継続するのが難しくなってきているという。
一方で、これまでのサービス価格が「普通」ではなかっただけで、今はより正常な価格になっていると指摘している。ユスウォ氏は、消費者はすでにフードデリバリーの利用が当たり前になっているため、価格が「普通」であるかに否かに関わらず利用を継続するだろうと予想している。