インドネシアのスマートフォン(スマホ)需要は、経済不安を背景とした個人消費の落ち込みにより減少し、この傾向は下半期も続くとみられる。その一方で、3Gスマホから4G・5Gスマホへの切り替え、eスポーツの台頭によるゲーム用スマホなど、需要を押し上げる好機もある。
国際的調査会社のカウンターポイントの報告によると、インドネシアの2022年第2四半期(4~6月)におけるスマホ出荷台数は前年同期比で11%減少した。特に、150ドル未満の低価格帯スマホの需要が最も落ち込んだ。
同時期に出荷台数が増加したメーカーは、国内トップシェアのサムスン電子(韓国)のみで、その他は軒並み減少した。
カウンターポイントは、インフレや為替変動などの経済不安が個人消費を弱体化させ、下半期も引き続き低価格帯から中価格帯スマホの販売に打撃を与えるだろうと予想している。
その反面、スマートフォンの需要を拡大する機会の存在もいくつか指摘している。
第一に、インドネシアでは3Gネットワークの終了が進められており、消費者は4G対応スマホへアップグレードする必要がある。この切り替え需要は低価格帯市場を牽引する。また、第2四半期に190万台にまで達した4Gから5Gへの切り替えも見込まれている。
第二に、eスポーツへの関心が高まるにつれて、高性能なゲーム用スマホにも好機が訪れている。中価格帯市場で主流になることが期待されており、特に若者の間ではゲーム用スマホは5G以上にアップグレードする原動力になると予想されている。
また、オンラインチャネルを介したスマホ販売は以前として増加傾向にある。最近では、分割払いプランを提供し始めたネットショッピングサイト「アクラク」が注目されており、スマホのオンライン出荷台数で3番手に付けるなど頭角を現わしている。分割払いプランは、特に中価格帯市場が成長していく上で重要な要素である。