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配車アプリドライバー、燃料価格上昇で苦境

燃料価格の上昇以降、インドネシア各地で抗議デモが多発している。配車アプリのドライバーたちも抗議活動を行う団体のひとつ。配車アプリの大手企業は燃料価格上昇後、バイクタクシーをはじめとする配車・配送サービスの料金を引き上げたものの、引き上げ幅が燃料価格の上昇分を到底カバーできず、ドライバーたちは苦境に立たされている。

政府は9月3日、いくつかの燃料の価格を引き上げた。国内で最も安く、最も使用割合が高いガソリン「プルタライト」は、従来の1リットルあたり7650ルピアから同1万ルピアへ、約31%値上げとなった。

一方で、運輸省はバイクタクシーの初乗り運賃と1キロあたりの規定運賃を引き上げ、10日から適用した。

これに合わせて、配車アプリ大手のゴジェックとグラブはバイクタクシーの運賃を改定したほか、燃料価格上昇に伴う措置として四輪タクシー、フードデリバリー、配送サービスなどの料金改定を行った。

このような経緯を経て、ジャカルタのゴジェックドライバー、ムハンマドさんは「1キロあたり800ルピア上がっただけで、燃料の追加分をカバーできない」と話す。

10万人以上のドライバー組合を率いるイグン氏は「ドライバーの収入は良い日でせいぜい15万ルピア。ガソリン費用は以前は2万ルピアだったが、今では3万5000ルピアにまで膨れ上がり、時には1日に2度給油しなければいけない日もある。利益はわずかだ」と説明し「インドネシア全土のドライバーが調整運賃を受け入れていない」と強調した。

インドネシアでは、燃料価格の上昇前から劣悪な労働条件や不当な慣行に対してドライバーの不満が沸き起こっていた。これまでのところ抗議デモは数百人程度に限られているが、ジャカルタではすでに8000人の警察官が配備されている。インドネシア全土で400万人以上のドライバーが存在することを考えると、一筋縄ではいかないかもしれない。