東南アジア最大級の大規模繊維市場タナアバン市場から客足が遠のきつつある。市場内でバティックとケバヤを販売する店のオーナーUngeさんは「今年の犠牲祭前後は混雑が見られたが、犠牲祭の1か月後くらいからずっと静かな状態が続いている。結婚式が増える9〜10月頃は客足と売り上げが増えると予想していたが、その期待も外れた。土日祝日も平日と大差なく静かなものだ」と不満を漏らす。
子供服を販売するIndraさんも同じように感じている。「パンデミック以降、今日までとても静かな状態が続いている。買い物客の数と比例して売上も減少した。買い手どころか売り手も減っている」と話す。客足が減ったことで早い時間帯に閉店する店も増え、市場全体が以前よりずっと静かで寂しい印象に。木曜日の午後2時半、市場の店先で商品を眺める客の数はごくわずかで、ほとんどの売り手がただ店の前に座っているだけ。なかには商品を片付け店仕舞いの支度をする店もある。
Ungeさんは市場内の実店舗のみでの販売に限界を感じ、オンライン販売で売り上げを伸ばそうと尽力している。「複数のサイトで出店を試みている。ほとんどの店の人たちがオンライン販売を始めているが、先行きは不透明だ」と不安の色を隠せない。市場に以前のような活気が戻る日は来るのだろうか。