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【企業インタビュー】日本の医療をインドネシアで実現 チーム医療で在留邦人の健康を見守るアットホームな診療所

徳洲会系病院で経験を重ねた山田晴男医師が「インドネシアの医療レベルを上げるために自分ができることは、自身の知識と技術を他の医師に伝えること」との想いで2004年に開設したタケノコ診療所。開設以来、日本の医療技術の学びの場、在留邦人の安心の拠り所となる家庭医として発展を続けてきた。山田医師から受け継いだものを次世代に伝えることを使命にタケノコ診療所を率いる鎌田東副院長に、診療所について教えてもらった。

話者プロフィール
タケノコ診療所 鎌田 東 副院長
1992年に日本で生まれ、幼少期にバリ島に移住。バリ島の日本語補修授業校で学び、日本語・インドネシア語・英語を流暢に操る。2016年にタケノコ診療所に就任し山田晴男先生に師事。2022年に副院長に就任。日本とインドネシアと世界をつなぐ診療所を目指す。

――タケノコ診療所について、簡単にご紹介ください。

鎌田東 副院長(以下鎌田副院長):

タケノコ診療所という名称は「タケノコのように地域に力強く根付いて成長していけるように」という思いで山田晴男先生がつけたと伺っています。また応用範囲の広いタケノコや竹のように、どんな症状の患者さんでも助けることのできる便利な診療所でありたいという思いも込められています。

タケノコ診療所では以前より1つの診察室の中に2人のドクターが入り、意見を出し合いながら診断から治療までを行うダブルドクターシステムを採用し、単独の医者ではなく診療所全体が一人ひとりの患者さんに対して責任を持つ「グループ医療」を行ってきました。通訳を介して診察を受けた場合でも、私や他の医師の見立ても加わることで患者さんの不安も薄れるのではないかと考えています。

このダブルドクターシステムに必要な情報共有の円滑化、またインドネシア国内4か所にある診療所の連携強化のために、電子カルテの導入を始めとしたデジタル化を進めています。これにより、バリ島で受診された患者さんの情報をジャカルタの診療所でも把握することができるようになりました。勿論セキュリティ面は十分に留意し、医療情報・個人情報の保護には万全を尽くしています。

――タケノコ診療所ではどこまで対応してもらえますか?手術や入院が必要となった場合は?

鎌田副院長:

当院の医師は全員、すべての科における初期診断を行うことができる一般医(*注釈)です。総合的に診察し144疾患について直接診療を行うことが可能ですが、治療が難しい症例や専門的な治療が必要な場合は、専門医への紹介を行います。144疾患が属する診療領域には内科、小児科、外科、皮膚科などが含まれており、ほとんどの急性疾患の症例に対応することができます。日本で服用していた薬があるという患者さんからのご相談、日本の医師からの紹介状に準じた検査や治療の継続、日本の医師への紹介状の発行にも対応しています。予防接種につきましても多くの方にご相談いただいています。

当院にいらっしゃる患者さんの症例TOP5は、急性胃腸炎(下痢)、上気道炎(風邪症候群)、熱(デング熱、腸チフス、インフルエンザ、中耳炎、麻疹、風疹など)、皮膚病、肩や腰の痛みです。上位3つの症状に対しては、点滴治療が有効です。当院には入院施設がないので、入院が必要な患者さんには、医師や看護師のレベルが高く信用できる医療機関をご紹介しています。当院の看護師を医療通訳として同行させたり電話でフォローアップしたりしていますが、言葉だけでなく、医療と看護のクオリティの違いに戸惑う患者さんもいます。そういった場合には当院が直接介入し、病院や患者さんと話し合っています。退院後のフォローアップは、病院と連携し当院で行うことが大半です。

――巷で噂のタケノコの点滴について教えてください。

鎌田東 副院長(以下鎌田副院長):

山田先生ご考案の日帰り治療「ワンデイケアの点滴治療(IV Fluids Therapy)」はだいぶ前から行っており、ジャカルタ周辺の方々にご好評をいただいています。これまでは「点滴=要入院」という考え方があったのですが、熱中症などの場合、点滴を打てば数時間で劇的に状態が良くなります。「下痢と高熱の症状があるが、数時間後にどうしても外せない会議がある」などという方にもご活用いただいています。早い段階での点滴投与を疑問視する方もいますが、過去7年にわたり1000例以上の点滴治療を行い、問題が生じたことはありません。チカランのタケノコ診療所は病院内にあるのですが、歩くこともままならなかった患者さんが2時間後にスタスタと元気に歩いて帰られる様子を見て驚いた病院関係者に、どんな薬を使っているのかと聞かれたこともあります(笑)。

――来尼予定の方、来尼されたばかりの方にアドバイスをお願いします。

鎌田東 副院長(以下鎌田副院長):

インドネシアの水は硬水であることもあり、来尼1ヶ月以内に重度の下痢を体験される方は多いです。予防接種や虫除けなどの感染症対策も行っていただきたいです。そして何より事前に現地の医療情報を確認しておくこと、万が一の時にすぐに頼れる家庭医を作っておくことが大切ではないでしょうか。各々のお仕事を通してインドネシアに発展をもたらしてくださっている在留邦人の方に貢献することで、私なりに日本とインドネシアの架け橋になりたいと願っています。日本の保険会社さんの保険によるキャッシュレス受診も対応しているので、まずはお気軽にお立ち寄りください。

*注釈一般医または総合診療医と訳されるGPのこと。どのような疾患にも対応し、未診断症例には速やかに正確な診断を行い、速やかな治療を行うことができ、場合によっては患者のことを考えた専門医との連携を円滑に行うことが出来る医師。(参考:日本病院総合診療医学会http://hgm-japan.com/general/)

タケノコ診療所 概要

タケノコ スディルマン院
診療時間:8:00~20:00
電話番号:(+62)21-5785-3955
(+62)21-5785-3958 (日本語可)
タケノコ チカラン院
診療時間: 月~日:8:00~20:00/
休診日: 年始・祝日・レバラン
電話番号:(+62)21-8990-9575
タケノコ ポンドックインダー院
診療時間:月~日:8:00~20:00/
祝日:8:00~17:00
電話番号:(+62)21-7593-0468
(+62)21-7593-0469 (日本語可)

タケノコ バリ院
診療時間:月~金:8:00~20:00/
土・日・祝日:8:00~16:00

詳細はタケノコ診療所グループホームページをご覧ください。