JR山手線内側の半分の広さに相当する約3200haの広大な開発面積を誇るデルタマスシティ。首都ジャカルタから好アクセスの工業団地として急速な発展を遂げてきた同地だが、発展を遂げてきた同地だが、新チカンペック第2高速道を開通による物流のさらなる向上、そして東南アジア最大級のイオンボールの開業により、工業、住宅、行政、教育、医療、商業、そしてエンターテイメントが一体となった日系企業が開発する世界最大級の複合開発都市としての存在感と輝きを増し続けている。ブカシ県の県庁所在地でもあるデルタマスシティの動きに今、西ジャワ全体が注目している。
話者プロフィール
双日㈱で工業団地事業を担当。2011年からベトナム駐在し工業団地を開発。2023年からデルタマスの事業会社副社長に就任し複合都市開発に従事。
双日(株)でASEANに於ける工業団地事業を担当。2023年からデルタマスに出向し、日系企業様を中心にデルタマスGIIC工業団地の販売に従事。
インタビュー記事本文
――GIIC開発の経緯についてお聞かせください。
デルタマスの開発事業は1993年にスタートしました。当初は3,200haすべてを住宅商業エリアとして開発する計画で、第1チカンペック高速道路のインターチェンジやブカシ県庁を誘致しながら、住宅開発を進めてきましたが、2000年代半ば、日系の四輪・二輪の関連企業様の進出が盛んになったタイミングで、開発事業地の半分の1,600haを工業団地へと用途変更。2008年よりGIIC工業団地の開発を開始してきました。入居企業数179社(うち日系企業は86社)を誇るGIICは現在2,200haまで拡大し、残りの1,000haを住宅商業エリアとして開発しています。
――どのような企業が何を理由に入居されていますか。
チカンペック高速道路沿いに並ぶ日系工業団地の中央に位置しており「東西の取引先企業様にアクセスしやすい」「ジャカルタに近く、まとまった土地を分譲している希少な工業団地」という理由で選ばれてきました。最近では「マーケットに近い場所に製造拠点を持ちたい」という内需向け食品飲料等の製造業様の進出が増えています。データセンター様には「電気水道といったユーティリティの供給の冗長性(※注)が確保されている」「水害のリスクが低い」という点を評価いただいています。GIICは水害の履歴が一切ない土地にある上に、たとえ過去100年間で最大の降雨量があったとしても浸水しないような設計地盤となっています。
(※注:IT用語における「冗長性」とは、予期しない事態に備えて予備が用意されている状態を指します。)
――インフラが完成することにより、物流はどのように変わりますか。
デルタマスには第1チカンペック道路直通のインターチェンジを引き込んでおります。第2チカンペック道路とデルタマスをつなぐ取り付け道路の工事も行い、西ジャワで唯一の、第1第2高速道路に挟まれた工業団地になる予定です。海路ではタンジュンプリオク港の取扱量の増加による混雑の慢性化に伴い、パティンバン港への期待が高まっていますが、チカンペック高速道路(プルワカルタの交差点)とパティンバン港を結ぶ高速道路建設工事の入札を現在PU(公共事業省)が進めており、完成後には大幅な時間距離短縮が期待できます。同港は現状PCC(純粋自動車専用船)しか就航していませんが、コンテナターミナルを運営開始する請負事業者の募集が行われており、数年後には大きな物流拠点となる可能性があります。
――脱炭素に向けてどのような取り組みをされていますか。
浄水場や排水処理場といった共用インフラ、セキュリティースタッフが使用するEV車両など、工業団地として使用する電力には、PLNが販売している再エネ証書付きの電気を購入しています。入居企業様の脱炭素の取り組みの支援としては、太陽光パネルの設置をご提案しています。導入・メンテナンスコストはゼロ、電気代はPLNの単価と同等ないしは安価で、CO2の削減と電気代の節約ができるご提案となっております。太陽光パネルはデルタマス内に3月22日に開業する東南アジア最大のイオンモールの屋上にも設置いただいており、チカラン日本人学校にも設置予定です。デルタマスのカーボンニュートラル化については、双日株式会社・sinarmas land間においてMOUを締結しており、昨年12月に開催された「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」の会合においても発表されています。脱炭素に関わる様々な提案を受けられる工業団地としてロールモデルになれればと願っております。
――GIICが考える工業団地のあるべき姿とは?
ハード面では電気水道ガス通信といったユーティリティが滞りなく供給されること、ソフト面ではデモや制度変更などへの対応をサポートすることで、全てのご入居企業様が本業に専念できる環境を整えることが我々の仕事だと思っています。加えて脱炭素やDXの取り組みなど、時代の要請に応えるノウハウも持ち合わせる、日本のスタンダードに限りなく近い工業団地でありたいと考えています。
――工業団地として、まちとして、どのような姿になっていくのでしょうか。
工業団地においては脱炭素の取り組みの推進を軸としています。まちづくりにおいては施設の拡充による利便性の向上、戸建て住宅の開発などを通じ、日本人及びインドネシア人のご家族にとって、安全・安心・快適なまちをつくることを軸としています。そして商業エリアにおいては、この街に住みたい!遊びに来たい!と思えるような、わくわくするような仕掛けを作っていきたいと考えています。過去数十年、このエリアの発展は工業団地に牽引されてきました。働く場所が東へ東へと伸びた今は、デルタマスが住む場所として大きな成長を遂げる契機と捉えており、日本で培ってきたものをいかに現地に合わせた形で導入していけるかを考えながら、住、食、遊び、教育、人間が生きて行く上で必要なすべてをアップグレードしていきたいと思っています。イオンモールの開業はその実現に向けた大きな一歩、デルタマスの商業住宅エリアが産声を上げる瞬間だと感じています。
担当者連絡先
問合せ先 | PT. Puradelta Lestari Tbk |
電話番号 | 021-8997-1188 |
担当者連絡先 | 田邊:0815-1428-9400 / tanabe.nobuhiko@sojitz.com 石坂:0821-3788-2864 / rentaro.ishizaka@deltamas.co.id |
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