2024年のインドネシアの国内総生産(GDP)成長率は5.03%となり、事前予測(5.00~5.02%)を上回ったが、政府目標の5.2%には届かなかった。
経済成長の主因は家計消費と投資の拡大であり、消費は前年比4.94%増でGDPの54%を占めた。固定資本形成(PMTB)は前年比4.61%増、国内外の投資額は1.7千兆ルピアで前年比20.8%増加した。一方、輸出の低迷が成長を抑制した。特に石炭やパーム油(CPO)の輸出額は二桁減少し、純輸出の寄与度が低下した。政府はGDP成長を促進するため、新たな輸出分野の開拓とともに、観光業のバリ島依存から全国的に分散させる方針を示している。
インドネシア大学経済社会研究所(LPEM UI)の専門家であるテウク氏は、2025年も貿易摩擦や地政学的リスクが成長の課題となると指摘し、季節要因に依存する成長構造の脆弱性を懸念している。