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「世界一」と評される「ラウォン」の歴史とその美味しさの秘密

(c) indonesiakaya.com

 魅惑的なスパイスの香りと濃厚な黒色のスープが特徴の東ジャワ州スラバヤの名物料理「ラウォン」は、2023年に世界の料理を紹介するウェブサイト「テイストアトラス」によって「世界一おいしいスープ」に選ばれたことをきっかけに、海外のメディアやフードブロガーに注目されるようになった。

 西暦901年に東ジャワ州ポノロゴで発見されたタジ碑文に記載されている「rarawwan」が、ラウォンの起源であると考えられることから、ラウォンは1000年以上にわたり存在するインドネシアで最も古い料理のひとつとされている。またマジャパヒト王国時代にはラウォンは「王に供される料理のひとつ」であったこと、貴族間でも特別な価値を持つ食べ物であったことが文献などによって明らかになっている。

 ラウォンのおいしさの秘密は「クルワック」という木の実にある。生のクルワックには毒性があるが適切に加工することで、深い黒色と独特の苦味を加える特別なスパイスとなる。このクルワックに唐辛子、エシャロット、ニンニク、ガランガル、ラオス、コリアンダー、クミリ(キャンドルナッツ)、ターメリックなどのスパイス、レモングラス、ライムの葉をブレンドし、牛肩バラ肉と一緒に長時間じっくりと調理することにより柔らかい食感と深みのある濃厚なスープが出来上がる。