ラマダン(断食月)が終わると、世界中のイスラム教徒が、断食月明け大祭「イード・アル=フィトル(イドゥル・フィトリ/レバラン)」を祝う。インドネシアの人々はレバラン中に何をしているのか、この機にきちんと理解しておこう。
まずはラマダン明けの喜びをともに祝う伝統行事「タクビラン」。レバラン前日の夜、太鼓を叩いて「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と合唱しながら、子どもから大人まで皆で歩き回る光景が各地で見られる。2つ目は帰郷「ムディック」。ムディックはジャワ語の「Mulih Dhisik(家に帰る)」の略。故郷を離れて生活している人々が、家族や地元の人々と一緒にレバランを祝うために帰省することは欠かせない伝統のひとつ。3つ目はレバランに欠かせない料理のひとつ「クトゥパット」。ココナッツミルクと塩で味付けしたもち米を、ヤシの葉で包んで茹でる「ちまき」だ。
レバランの礼拝の後に家族や先祖の墓を訪れて花を供える巡礼「ジアラ」、そして親戚、友人、近所の人たちを訪ねて握手をしお互いを許し合う習慣「ハラールビハラール」もレバランの伝統。6つ目は宗教大祭手当「THR」。企業が従業員に支給するいわゆる「レバラン手当」だけでなく、日本のお年玉と同様、親戚から子どもたちに配られるお金もTHRとみなされる。