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スラウェシ島で発見された推定5万1200年前の世界最古の動物壁画

(c) kompas.com

 スラウェシ島南西部で発見されたイノシシと3人の人間のような形が描かれた洞窟壁画が、少なくとも約5万1200年前のものであることが、オーストラリアのグリフィス大学、インドネシア国立研究革新庁(BRIN)などの研究チームが行った調査により判明した。同壁画は2017年に発見されたもので、2024年初頭に大まかな年代が推定されていたが、対象物の断面にレーザーを照射する年代測定技術を用いたことで、より正確な年代が特定された。
 英国のBBCは「この壁画は歴史的内容を物語る最古の証拠である。当時の人間が抽象的に考える能力を持っていたことを示している。この発見は人類の進化についての考え方を変えるだろう」とのグリフィス大学の研究者マキシム・オーベア氏の見解を報じた。
 同地域のリアン・テドンゲ洞窟の壁画についても再調査が行われ、4万4000年前のものと推定されていた同壁画が、少なくとも4万8000年前のものであることが判明したが、同壁画には炭酸カルシウム物質が残っておらず、新しい測定技術の成果は得られなかった。同地域で行われた複数の発掘調査でイノシシの描写が発見されたことから、先住民にとってイノシシが重要な存在であったことは明らかだが、壁画から出来事を解釈するのは難しく、詳細は現状不明のままである。