2025年4月、米国がインドネシア製品に対し32%の報復関税を課すと発表し、繊維業界は深刻な打撃を受けようとしている。現在は90日間の猶予期間中に10%の関税が適用されている。
インドネシアからの繊維・アパレル輸出の約40%は米国向けであり、今回の措置により「解雇の加速」が懸念されている。業界団体は、米国からの綿花輸入拡大を交渉カードとし、関税緩和を目指している。繊維大手のSritex社の倒産やナイキやアディダスなどの製品を扱うPT Adis Dimension FootwearやPT Victory Chingluh Indonesiaの大量解雇など、すでに業界は厳しい状況にあり、さらなる人員整理の懸念が広がる。
一方で、米国以外への輸出先多角化は需要の低さや現地企業との競争から短期的には困難とされる。業界関係者は、価格競争力の維持と同時に、自国市場への安価な製品流入阻止が急務と訴える。