インドネシアの工場で雨漏りの相談を受けると、多くの場合、すでに何らかの補修が行われています。「一度は止まったが、次の雨季でまた漏れた」「違う場所から再発した」こうしたケースは珍しくありません。施工自体が極端に悪いというよりも、補修の考え方や管理の違いが、結果として再発につながっていることが多いのです。
第2回となる今回は、「なぜ補修しても雨漏りが繰り返されるのか」という視点から、再発を招く本質的な要因と、見落とされがちなポイントについて整理します。適切な対応を検討するためのヒントをお伝えします。
コラム本文
まず前提として、ローカル業者の施工がすべて悪いわけではありません。
- 対応が早い。
- コストが安い。
- その場の漏れは止められる。
という点では非常に合理的な選択であり、多くの工場ではまずローカル業者による補修を選択します。初動対応としては十分に機能しており、実際に一時的に雨漏りが止まるケースも少なくありません。
それでも再発する理由①
多くの補修は、「今まさに漏れている箇所」への対処、いわば部分最適にとどまっています。
しかし金属屋根では、実際には複数の劣化が同時に進行しています。
たとえば、
- ビス周り
- 重ね部
- シーリング
といった箇所で、それぞれ劣化が進み、水の侵入口となっていきます。
そのため、一箇所の漏れを止めても、すでに別の弱点から水が入り込む状態になっているケースが多く見られます。
結果として、「直したはずなのに、また別の場所から漏れる」という状況が繰り返されてしまうのです。
それでも再発する理由②
ローカル業者による補修の多くは、長期的な対策というよりも「応急処置」を前提としています。
- その場での補修
- 限られた予算内での対応
といった条件の中で、まずは目の前の雨漏りを止めることが優先されます。
そのため
- 屋根全体の状態評価
- 長期的な劣化予測
- 再発防止の設計
といった視点が入りにくいのが現実です。つまり、“止める工事”ではあっても、“再発させないための工事”にはなっていないケースが多いのです。
それでも再発する理由③
もう一つ大きな違いが、施工記録と管理の有無です。
多くの場合、
- どこを補修したか
- どの材料を使ったか
- どの順序で施工したか
といった情報が十分に記録として残されていません。その結果、次に補修を行う際には、過去の履歴を踏まえた判断ができず、ほぼ“ゼロからの判断”になってしまいます。
すると、
- 毎回違う場所を直す。
- 同じ不具合を繰り返す。
- 全体像が把握できない。
といった状況に陥りやすくなります。
それでも再発する理由④
もう一つ見逃せないのが、材料選定と施工精度のばらつきです。
同じ「防水材」を使用していても、
- 下地処理
- 材料の厚み管理
- 乾燥時間
- 施工環境
といった条件によって、その性能は大きく左右されます。特にインドネシアのような高温多湿の環境では、こうした差がより顕著に表れます。つまり、結果を分けるのは材料そのものではなく、施工管理の差であると言えます。
まとめ
ローカル業者による補修が再発しやすい背景には、以下のような構造的な要因があります。
- 部分補修が前提になっている
- 長期視点ではない
- 施工記録が残らない
- 施工管理にばらつきがある
これらは個々の業者の技術力の問題というよりも、補修に対する前提や考え方の違いによるものと言えます。
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次回予告
では、こうした環境の中で、なぜ“雨季を越えても再発しにくい施工”が可能なのでしょうか。
次回は、日本で訓練を受けた施工チームが実践している、「見えない品質」の正体について解説します。
本連載では、インドネシアにおける雨漏り問題を段階的に整理しています。
第1回では「なぜ補修しても再発するのか」という基本構造について解説しています。
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