バリ島ジンバラン地区にある「サカ美術館」が、ヴェルサイユ賞「世界で最も美しい美術館2025」に選出された。同賞は、国連教育科学文化機関(UNESCO)が文化と経済の相互発展を目的に、優れた建築物・インテリアを表彰する世界的な建築賞だ。バリ島の「アヤナバリ」複合施設内に位置するサカ美術館は、「ギリ・セガラ(海と山のバランス)」の哲学に基づき、「三菱地所設計」が設計。大きく勾配した屋根と建物を映し出す水面は精神的なつながりと人生における変化を表現し、ニュピを始めとするバリの伝統とも融合している。
「サカ美術館」の他にノミネートされたのは、1900年のパリ万博のために建設されたパリの宝石こと「グラン・パレ」、韓国にある隈研吾氏設計の光や音や香りを五感で楽しむ「オーディウム」、サイロを改装したノルウェー南部最大の美術館「クンストサイロ」、伝統的な建築と新しいテクノロジーを組み合わせたサウジアラビアの「ディルイーヤ・アート・フューチャーズ」。そして米国の五大湖地域の地質学的歴史を反映した「クリーブランド自然史博物館」と1931年に建てられたアールデコ様式の「ジョスリン美術館」。今回ノミネートされたこの7つの美術館のなかから3施設に対して、最優秀賞のベルサイユ賞、内装特別賞、外装特別賞が授与された。