米国の経済に、トランプ前大統領の関税政策が及ぼす悪影響が顕著となり、インドネシア・ルピアが対米ドルで上昇している。PT Doo Financial Futuresのアリストン・チェンドラ社長は、「関税政策の悪影響は、製造業よりも通常は堅調なサービスセクターにも及んでいる」と指摘する。
5月のISM(サプライマネジメント協会)によるサービス部門購買担当者景況感指数(PMI)は、前月の51.6から49.9に低下。11カ月ぶりの縮小となった。市場では米経済の先行き不透明感が増し、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が強まっている。
今週発表される米雇用統計、特に6日発表の非農業部門雇用者数(NFP)も注目を集める。ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)が発表した5月の雇用者数増加は市場予想を下回る3万7000人増にとどまり、ドル安圧力となっている。
チェンドラ社長はルピアの対ドルレートについて、「本日、1ドル=1万6200ルピアへの上昇も期待できる。抵抗帯は1万6300ルピア前後」との見方を示す。ルピアは5日朝、対ドルで15ルピア(0.09%)高の1ドル=1万6280ルピアで取引を開始した。