インドネシアには他にはない特長的なコーヒーがある。深煎りのコーヒー豆を極細挽きにし、フィルターなどを一切通さずにお湯を注ぎ、コーヒー粉が沈殿するまで数分ほど待ってから上澄みを飲む「トゥブルックコーヒー」は非常に有名だが、東ロンボクのTetebatu村には、さらに独特な方法で淹れるコーヒー「Kopi Beras(ライスコーヒー)」がある。
まずはコーヒー豆に米と古いココナッツの果肉を混ぜてフライパンで火にかけ、手作業でコーヒー豆を焙煎する。深煎りのコーヒーを作るには焙煎に30~60分程度かかるという。とろみがつくまでコーヒー豆と米を焙煎したら火からおろし、冷めて水分がなくなるまで待つ。その後すり鉢と乳棒を使って豆を挽く。そしてトゥブルックコーヒー同様に、挽いたコーヒー豆とスプーン一杯の砂糖をカップに入れ、直接熱湯を淹れる。Tetebatuのコーヒーは、手間をかけずに朝食や午後の一杯としてすぐに楽しめる点も魅力だ。
ツアーガイドのRazak氏は「米とココナッツをブレンドしたこのコーヒーには、独特の力強いアロマと、強い苦味、適度な酸味があります。苦味が強いので、通常は砂糖を加えます。米とココナッツを加えることで酸味が抑えられる他、カフェイン含有量も減らすことができます」と教えてくれた。