ジャワ島東側の島、「塩の島」として知られるマドゥラ島は、独特のエキゾチックな文化と伝統を有することで世界的に知られている。マドゥラ人はインドネシア語を話す際にも独特なアクセントで話すので、容易に特定できる。
マドゥラ族の伝統文化のひとつに、マドゥラ州のいくつかの都市で、毎年8月と9月に開催される「Karapan Sapi(牛レース)」がある。2頭の牛が引く木製の荷車に騎手が乗り、約100mのレーストラックの上で速さを競い合う競技だが、このレースに勝つことで雄牛の所有者の社会的地位も高まる、名誉ある祝祭でもある。マドゥラ諸島にはもうひとつ牛に関わる文化的伝統がある。「Toktok」は2頭の雄牛が互いに向き合い、突進し合う闘牛競技。2頭の雄牛はどちらかが降参するか逃げるまで戦う。Toktokの試合には必ず審判が同席するが、他の観客に危険を及ぼす可能性があるため、審判には技術と経験が求められる。
またマドゥラ族には鎌などの鋭利な武器を用いた命を賭けた決闘「Carok」の伝統もある。忠誠心が強く、プライドを重んじるマドゥラ族は、伝統的に不貞や家族の名誉に関わる争いの解決に暴力を用いてきた。これらのユニークなマドゥラ島の文化と伝統に触れるために国内外から多くの観光客が、この島を訪れている。