インドネシアの代表的な料理といえば、ピーナッツソースなどをつけて食べる、炭火で香ばしく焼き上げた串焼き肉「サテ」である。しかし、ゴロンタロという地域には、私たちが知る一般的なサテとは全く異なる「サテ・バランガ」が存在する。地元では祝い事や特別な席でも振る舞われる伝統料理だという。
最大の驚きは、串を使わず、炭火で焼かないことだ。ゴロンタロの言葉で鍋やフライパンを意味する「バランガ」を使い、たっぷりのスパイスとともに肉を炒め煮(あるいは蒸し煮)にして作られる。赤玉ねぎやニンニク、生姜、ウコン、クミンなどの香辛料をふんだんに使い、2〜3時間ほどじっくりと時間をかけて煮込むため、肉は驚くほど柔らかく、スパイスの風味が中までしっかりと染み込んでいる。
この料理は、中東の食文化とゴロンタロの伝統的な調理法が融合して生まれ、長い年月を経て受け継がれてきた。白米だけでなく、ナシ・ケブリやナシ・クニン、クトゥパット、さらには茹でたバナナと一緒に食べるのも現地流である。ゴロンタロを訪れた際は、この香り高く奥深い味わいが広がる新感覚のサテをぜひ味わってみてほしい。
もうひとネタ!
サテ・バランガには、香りづけにレモングラスやローリエ、ガランガルを加えることもあり、お店や家庭によってバリエーションが楽しめるのも魅力である。


















