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インドネシアの税金制度|法人所得税関連

インドネシアにおける法人税

インドネシアで活動する法人は現地で法人所得税を納税する義務があります。なお「法人税の納税義務者」についての定義によると、「インドネシアで設立または住所を持つ法人は、税務上の居住者として扱う」とされています。また、インドネシア内に恒久的施設 (PE、Permanent Establishment)を保有し、それを通じて事業を行っている外国法人も税法上の居住納税者とみなされます。

恒久的施設(PE)
OECDによると「恒久的施設」 の定義とは「事業を行う一定の場所であって、企業がその事業の全部または一部を行っている場所」を指す。
法人税の課税対象所得
  1. インドネシア法人
    全世界所得
  2. 外国投資者のインドネシア法人
  • インドネシア国内にある恒久的施設(Permanent Establishment=PE)に直接帰属する所得。
  • 外国法人の本社が同国内で行う同種の事業活動で得た所得も恒久的施設から得たものとみなす。

法人税の税率と例外事項

法人税率は2021年度以降、22%となります。

法人税の例外事項 税率
前年度の総売上高が48億ルピア(約3,500万円)以下の特定企業 売上の0.5%(一部新型コロナ特別法令で政府負担の場合あり)
年間売上が500億ルピア
(約3億6,000万円)以下の小規模企業に対する減免措置
総売上48億ルピアまでの課税所得に対し、比例的に標準税率が50%割引(つまり税率は11%)
最低40%の株式を証券市場で公開している上場法人(国内企業) 「一定の条件を満たす場合、22%より最大で3%減額できる」とした法人税減免の特例あり。

例外事例①:前年度の総売上高が48億ルピア以下の特定企業

インドネシア法人税

例外事例②:年間売上が500億ルピア以下の小規模企業に対する減免措置

インドネシア法人税

法人税の予定納税と源泉徴収

税務当局の規定では「前年度の所得税総額から源泉徴収済 の納税分を差し引いた金額の12分の1を毎月予定納税する」とされています。預金利息などについては源泉分離課税制度があります。

法人税の申告と納税方法

法人の会計税務期は、会社が自由に設定することが出来ます。会計税務期は定款記載事項となりますので、会社設立時の設立定款作成時や、定款変更をもって設定することが可能です。多くの企業は1月-12月、4月-3月をとしています。企業の法人税申告は、会計税務期終了後4か月以内に年次申告年で行う必要があります。
インドネシア所得税法2条5項により定められた恒久的施設(PE)は次の通り。

a.経営管理事務所
b.支店
c.駐在員事務所
d.事務所ビル
e.工場
f.修理工場
g.倉庫
h.販売・促進のための場所
i.天然資源の採掘
j.石油又は天然ガスの採掘作業地域
k.漁業、畜産業、農業、農園業、林業
l.建設プロジェクト・装置プロジェクト・組立プロジェクト
m.12カ月の間に60日間以上にわたって、社員又は他の人によって行われた形式のいかんに関わりない各種サービスの提供
n.拘束された形で、個人又は団体によって行われる代理店業務
o.インドネシアにおいて保険料を受け取り、保険リスクを負うインドネシア国外で設立され、国外に所在する保険会社の代理店或いは保険会社社員
p.インターネットで事業活動を行うためエレクトロニクス取引の運営者が保有・賃貸されるもしくは利用されるコンピュータ、その代理店、もしくは自動機器

その他留意事項

資産の減価償却

減価償却については有形資産、無形資産共に品目ごとの耐用 年数表(定額法または定率法で定められている)があり、それに 基づいて算出します。

会計上、設定している償却期間と税法上の償却期間に差異がある場合には税計算の際に調整が必要となります。

損金不算入となる項目

インドネシアの法人税務では、寄付金、貸倒引当金などの引当金は損金(税務上の費用)として参入することが出来ません(一部年金数理人によって計算された引当金などを除く))

欠損金の繰越控除

年次の税計算上、最終損益が計上された場合、損失は繰越欠損金として最大5年間、持ち越すことが出来ます。翌年度以降に課税所得が発生した場合には課税所得から差し引く形で充当し、法人税額を抑えることが出来ます。

その他の税について

インドネシアにおいては日本と異なり、住民税・事業税・贈与税がありません。一方で不動産などにかかる固定資産税、不動産取得税、車両などにかかる自動車税、たばこ税、酒税、印紙税は日本と同様に法定されています。