シンガポールの配車アプリ、グラブはこのほど、インドネシア政府の新型コロナウイルスワクチン事業を支援する方針だと明らかにした。具体的には同社のプラットフォームを使い、新型コロナウイルスワクチンに関する間違った情報に対処する意向だ。
政府のワクチン接種事業の支援に当たり、グラブはまず、インドネシアの中でも最も脆弱性の高い人たちへのワクチン関連情報の提供を実施する。これに当たり、ワクチンに関する誤った情報への対処を進める。同時にワクチンの重要性についても周知を図る。
また、同社アプリを通じ、新型コロナウイルスに関連する健康相談も実施する。この健康相談ではユーザーからの相談に医師が回答する。
グラブはまた、インドネシア政府に対して正式に、新型コロナウイルスワクチンの接種プログラムの第3期において、同社のパートナードライバー、配達員、代理店などを優先するよう求めた。
新型コロナウイルスワクチンの接種プログラムの第3期では、インドネシア政府は地理空間的、社会的、経済的状況をそれぞれ考慮し、インドネシア社会の中でより脆弱性の高い人々への接種を推進する意向だ。
こうした中、グラブのインドネシア法人グラブ・インドネシアは「グラブはインドネシア政府に対し、ワクチン接種プログラムでわれわれのパートナーを優先するよう求めている。ワクチン接種が進めば、グラブのパートナーはインドネシアの人々の日常生活に必要なサービスを提供できるとともに、インドネシア経済の回復を後押しすることが可能になる」と説明する。
インドネシア政府は先に、新型コロナウイルスワクチンの接種プログラムをスタートした。これに当たり、ジョコ・ウィドド大統領がこのワクチンを接種し、インドネシアでの新型コロナウイルスワクチン接種の第1号となった。
また政府はインドネシアの中でもより脆弱性の高いグループからワクチン接種を進める方針だ。
一方、グラブのパートナーは新型コロナウイルスの流行拡大以降、過去9カ月間、輸送、食品・食材などインドネシア人の日常のニーズに対応しつつ、日々様々なリスクにさらされてきたという。
グラブ・インドネシアは「インドネシア人が新型コロナウイルス感染対策として自宅で過ごす中、わが社のパートナーは人々の生活を維持するために最前線に立って仕事を続けてきた」と説明する。また、「こうしたグラブのパートナーの重要な役割を考慮し、インドネシア政府はワクチン接種を進めるべきだ」と指摘している。