ドイツ銀行インドネシアはこのほど、通貨ルピア高などを受け、投資家がインドネシアの資本市場への投資を再拡大するとの見通しを示した。
ドイツ銀行インドネシアは、2021年上半期(1~6月)には新型コロナウイルスワクチンの接種がインドネシア全土で進むことで経済が上向くことにより、ルピア高が継続すると予測する。また同行は、インドネシア銀行が新型コロナウイルスの流行拡大の中でも経済を浮上させるため、政策金利を3.75%程度で維持するとみている。
ドイツ銀行インドネシアのシアントロ・ゴエヤルディ氏は声明で、「インドネシアは依然として、アジアの新興国に投資する投資家にとって最も魅力的な投資先となっている」と指摘する。
インドネシア政府は新型コロナウイルスの流行拡大を受け、これまでに695兆2000億ルピア(約494億米ドル)の景気刺激策を打ち出しており、資金調達を進めるために国債発行を積極化している。また同ウイルスの流行拡大による歳入減を受け、財政赤字が拡大していることも、国債の積極的な発行を促しているという。
新型コロナウイルスの流行拡大により市場のボラティリティ(変動性)が高まるとの懸念が広がり、外国人投資家は2020年初頭、インドネシアの金融資産などを含むリスクのある資産を手放す動きを進めた経緯がある。