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コロナ検査の偽陰性証明書 空港関係者ら逮捕の背景

インドネシアの玄関口スカルノハッタ国際空港で国内線利用者の搭乗に際して提出を求められているコロナ感染検査の「陰性証明書」を偽造し販売していたとして、1月15日に空港や検疫所の関係者ら15人が逮捕されたというニュースが報じられ、日本をはじめとする海外でも伝えられた。

その後1月25日にもクリニック関係者など8人が逮捕されており、かなり広範に偽陰性証明書が出回っていた可能性が強まっている。業を煮やした空港運営会社は偽造を防ぐためとして今後は「陰性証明書」の電子化を決め、早ければ2月からの本格的導入を目指すとしている。

「偽の陰性証明書」は実在する複数の医療関係施設の発行を装い、「本物そっくり」だったという。もっとも「本物そっくり」であるというのは「偽物」の大前提であり、相当の工夫と技術、熱意さらには内部関係者などの協力も不可欠となる。

インドネシアではかつては運転免許証、身分証明書、大学の卒業証明書などの偽造が盛んだった。ただし偽造紙幣つまり偽札が出回ったというニュースは寡聞にして知らない。2020年は3月以降のコロナ禍でインドネシアでは実に多くの人が失業や収入減、生活困難に陥った。そうした経済的な背景と同時に「なんでも金儲けの手段として活用する」という何事にも目端が利くという国民性も「偽造文化」の根底にはあるのかもしれない。

偽造ではないが、インドネシアでは生花より造花がもてはやされ、人気がある。その理由は「枯れることなくいつまでも美しい」からだと知人のインドネシア人は解説してくれた。「限りある美」か「永遠の美」のどちらを愛おしいと感じるかはもはや伝統文化や宗教信条を超えた価値観の相違なのであろうと思えてくる。

「偽ること」に関しては日本も決して例外でなく、食品などの成分や産地、表示、賞味期限などを偽る「偽装事件」は頻発しており、稀ではあるが「偽札事件」も起きている。東南アジアや中国などではエルメスやロレックスなどという「偽ブランド商品」が堂々と製造・販売されている。

こうしてみると、「偽ものつくり」には人間の業が関わっているのかもしれないなどと独りごつ。もしそうだとすると今後電子化するという「陰性証明書」にもいずれ「偽物」がでてくるのではないだろうか。

執筆:大塚 智彦
1957年生、毎日新聞ジャカルタ支局長、産経新聞シンガポール支局長などを経て2016年からフリーに。
月刊誌やネット版ニューズウィーク、JBPress、現代ビジネス、東洋経済オンライン、Japan in depth などにインドネシアや東南アジア情勢を執筆。ジャカルタ在住。




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