米ニューヨークに本拠を置く交通開発政策研究所(ITDP)はこのほど、2021年の「持続可能な交通アワード」で、インドネシアの首都ジャカルタを表彰した。ITDPはジャカルタの公共交通機関について、持続可能性があると評価している。
ITDPから持続可能な交通アワードを受賞したのは、東南アジアではインドネシアが初めて。ジャカルタとボゴール、デポック、タンゲランなどを接続する様々な輸送機関を統合した交通ネットワークが発達していることや、歩道やバイクレーンが整備されていることが評価されたという。
またITDPは今回、トランスジャカルタが使用するバスに向けた電気自動車の開発が進んでいることも評価した。インドネシア政府は温室効果ガスの排出抑制を目指す政策を打ち出しており、トランスジャカルタによる電気自動車の導入はこの一環だ。
インドネシアでは近年、ジャカルタやスラバヤなど大都市への集住が広がるとともに、自家用車や二輪車の利用が拡大し、大気汚染が深刻化するなど、都市化に伴う課題が生じている。こうした中、公共交通機関の整備は都市化による課題に対処するために重要になっている。
政府統計によると、インドネシアの人口は2020年時点で2億7000万人超に上る。同年の二輪車利用者数は約1億2010万人、四輪車利用者数は1610万人に達した。