インドネシアのアンモニア製造会社パンカ・アマラ・ウタマ(PAU)はこのほど、「二酸化炭素回収・利用・貯蔵(CCUS)」プロセスを活用して、中部スラウェシ州の自社工場で、ブルーアンモニアを生産することで覚書(MOU)を結んだ。これにより、インドネシアにおけるブルーアンモニアを使った環境配慮型燃料の開発が進むことが期待されている。
PAUの親会社で、ガス精製を手掛けるスルヤ・エスカ・ペルカサ(SEP)は19日の記者会見で、MOUに基づき、PAUがブルーアンモニア利用の燃料開発に向けてCCUSに関する共同調査をバンドン工科大学、日本の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、三菱商事と実施すると説明した。
インドネシア政府は2030年までに温室効果ガスの排出量を29%削減する目標を打ち出しており、今回のプロジェクトが政府の計画を後押しするものになると期待されている。
またPAUのブルーアンモニア生産プロジェクトは、最新のアンモニア関連技術を応用するものとして、世界でも最初のプロジェクトになるという。また、これを通じて、インドネシアを世界的なアンモニア生産拠点に押し上げることも期待できるようだ。
インドネシアは世界的な天然ガスの生産国として、これまでアンモニアを活用しながら肥料、プラスチック、化学品を生産してきた経緯がある。
金融大手HSBCは2021年1月、ガス由来のブルーアンモニアは製造コストが低く、流通が容易であることから、将来的に利用が伸びる余地が大きいとの見方を示した。