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世界的ハラル製品の頂点目指せ トヒル国営企業相が持論展開

エリック・トヒル国営企業相は6月21日に開催されたオンラインの会議「第1回インドネシア国際ハラル・フェア」のオープニング・スピーチで「インドネシアのハラル市場は国内だけでなく、国際的なグローバル市場に挑戦するべきだ」との国内ハラル関連企業、団体などに対して今後の指針を明らかにした。

「ハラル」とはイスラム教で「許されたもの」の意で「ハラム(許されざるもの)」の対比で、宗教的な禁忌にまつわる決め事を示す。一般的に豚肉やアルコールなど摂取が禁止されているもの、さらに微量とはいえアルコール成分や豚肉エキスが含まれた飲料、化粧品、調味料なども「禁忌」にあたる。

また近年では「ハラル倉庫」「ハラル輸送車」なども出現している。禁忌とされる豚肉などを保管、輸送していないことを明示したもので、インドネシアでは購入した冷蔵庫にも「ハラル認証」のシールが張られていることがある。非イスラム教徒はその「ハラル認証」の冷蔵庫に豚肉、ビールを保管しているという現象も起きている。

このハラルだが、トヒル大臣によるとインドネシアはハラル商品の消費では世界一だが、生産となると世界5位に甘んじているという。消費が最多なのは人口2億6000万人のうち約88%がイスラム教徒という世界最大のイスラム人口を擁するインドネシアだけに、当然の結果といえるだろう。

その最大の消費国が生産国として5位であるという現実に対してトヒル大臣は「インドネシアのハラル産業企業はより強力になる必要がある」とはっぱをかけたのだった。そしてハラルの消費ではなく生産の分野で世界一となる目標を2024年として掲げ、目標達成には「エネルギー、一貫性、相乗効果、革新」などが各分野に求められるとしている。

もっとも日本にも複数ある「ハラル認証団体」には認定商品、認証料などで競争もあり「ハラル」のビジネス化との指摘もある。

情報が古いかもしれないが、インドネシアのハラル認証は聖職者組織である「インドネシアウラマ協議会(MUI)」が行い、宗教省管轄下の「ハラル製品保証実施機関(BPJPH)」を通じて発行されることになっている。

マレーシアやシンガポールのハラル認定機関が発行した「ハラル認証」もインドネシア独自の認証を受ける必要があるとされるなどの融通性も課題とされており、ハラル生産で世界一を目指すには超えるハードルも高い。