コロナ禍において最も拡大した分野のひとつに、オンラインショッピングがある。インドネシアではトコペディアやショッピー、ブカラパックなどのサイトが有名であるが、HootsuiteとWe Are Socialの調査によると、国内のインターネット利用者のうち87.1%が、過去数ヵ月間に様々な電子機器を通じてオンラインで製品を購入している。オンライショッピングで最も購入された製品カテゴリーは、食品、コスメ、パーソナルケア、衣料品、電子機器、家具、ゲーム、おもちゃであった。食品においては、フードデリバリーサービスを利用するインドネシア人は3734万人にも達する。
背景には、インドネシアの中間層の成長、インターネットの普及、デジタル決済の進歩などの要因が影響していると考えられている。
特にオンラインショッピングの発展には、容易な支払い方法であるデジタル決済の進歩が切っても切り離せない存在となっている。インドネシア銀行(BI)によると、2021年3月の電子マネー取引の価値は21兆4000億ルピアに達し、前年と比べ42%増加した。また、インターネットバンキングの取引件数も増加傾向にあると指摘し、2021年3月には前年比で42%増え、5億5360万件を記録した。人々はデジタル決済を利用して、電気料金や水道料金、プルサ、ストリーミングサービスのサブスクリプション、オンラインゲームのトップアップ等の支払いを行っている。
今後、国内のオンラインショッピングにおいても、環境にやさしいエコな製品やカスタマイズ可能な製品が人気になったり、ライブコマースやAR(拡張現実)とVR(バーチャルリアリティ)を使用した販売などがトレンドとなるだろう。