観光・創造経済省は6月、長期化するコロナ禍の影響を受けて、国民の旅行スタイルに変化が表れていると発表した。
発表によると、人々は自宅から遠くはない車で行くことができる範囲の観光地に行く傾向があるという。飛行機での移動を懸念しており、移動手段として自家用車を使用する。また旅行先では、ホテルでの「ステイケーション(住居地域内のホテルに滞在して過ごすこと)」がトレンドである。またホテルを選ぶポイントとして、払い戻しの柔軟性を重視する人が多いという。これは、仮に飛行機を利用しなければならない場合でも同様で、チケットの払い戻しが簡易で柔軟な航空会社を選択する傾向がある。
近場でのステイケーションの他には、アウトドアが人気だ。コロナ禍以前は、アウトドアは友人たちなど大きいグループで行われるのが中心だったが、今は家族中心のものになっている。
一方で、今旅行業界で話題となっているのが、海外旅行と新型コロナウイルスのワクチン接種を組み合わせた「ワクチンツアー」だ。アメリカのようなワクチン接種の進む国へ行き、そこで無料でワクチンを受ける。旅行もしたいがワクチンも接種したいというインドネシア、タイ、メキシコのような国の富裕層を中心に需要がある。ワクチンのメーカーを選択できるという理由でツアーに参加する人もいる。
ワクチンツアーを提供するインドネシアの旅行代理店のひとつは、新型コロナウイルスの影響で売り上げが75%減少した。彼らは、この新しいツアーがインドネシアの旅行業界を活気づけるだけでなく、早くワクチンを接種したい人々の助けになることを望んでいる。この旅行代理店では、ワクチンツアーは最短8日間、1500万ルピアから5300万ルピアで提供されている。ワクチンの種類は、接種回数が1回のジョンソンエンドジョンソン製。6月頃から始まったこのツアーには、すでに100人以上が申し込んでいるという。