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プラスチック産業の今 ビニール袋配布終了も食品配達、Eコマースが拡大

インドネシアのプラスチック産業は、スーパーマーケットでのビニール袋の配布終了により大きな損失を被った。しかしながら、新型コロナウイルスの流行拡大に伴い食品配達サービスやEコマースが急拡大したことによって、恩恵を受けた業界のひとつでもある。

シンガポールに拠点を置くコンサルティング会社によると、インドネシアの食品配達サービスの市場規模は東南アジア最大である。同国の流通取引総額は2020年に183%増加、119億米ドルに達し、食品・飲料ビジネスにとってプラスチック包装は不可欠な存在となっている。

また2020年にはEコマースも拡大し、物品の配送の際に使用されるプラスチック製バブルラップ(気泡緩衝材)の需要が10~20%増加した。
それだけでなく伝統的な市場においても、新型コロナウイルスの影響によりプラスチック包装の使用機会が増加した。一部の商人たちは、消費者との接触を最小限に抑えるため、事前に50グラムまたは100グラムの唐辛子をビニール袋に入れておいているという。消費者の必要な唐辛子の量を測り、それからビニール袋に入れていた以前と比べ、ビニール袋の使用が増えた。

このような状況を、インドネシア・オレフィン・プラスチック産業協会(Inaplas)のファジャル事務局長は「ビニール袋の禁止によって一時は需要が減少したが、今は配達サービスによって回復している」と説明した。

一方で、世界は不要なプラスチック削減とリサイクル性向上に向け動いている。コンサルタント会社のWood Mackenzieは、2050年までにプラスチック包装の最大5分の1は、包装を無くす、替える、再利用するなどの取り組みによって置き換えられると予測している。同社はプラスチック産業について、短期的にはコロナ禍により利益を受けたものの、世界的トレンドによって中長期的には浸食されるリスクがあると見解を述べている。