工業省によると、家具・手工芸産業は2021年第1四半期に8%の拡大を記録した。なかでも、木材、木工品、籐(ラタン)、家具などのサブセクターが成長に大きく貢献した。
アグス工業相は9月21日「コロナ禍で、家具・手工芸産業が高い回復力を持っていることが証明された」と述べ、家具製品の販売量が押し上げられた要因のひとつとして、人々の支出が娯楽、旅行、交通などから、自宅を整理整頓または改修するための出費へと大幅にシフトしたと説明した。さらに、オンラインショッピングの台頭が、家具製品の売上拡大を支えたと付け加えた。
また、家具・手工芸産業で特に力を入れている輸出の面でも好調を記録した。2020年の家具製品(HS 9401-9403)の輸出額は、2019年の17.7億米ドルから7.6%拡大し、19.1億米ドルを突破した。主な輸出先は、アメリカ、日本、オランダ、ベルギー、ドイツであった。
インドネシア家具・手工芸産業組合(HIMKI)によると、米中貿易戦争の影響で中国からアメリカへの家具製品の輸出が前年よりも100億米ドル減少した。そのため、インドネシアを含む家具輸出国がその市場を取りにいったのだという。同協会は、家具製品輸出額を年間15~20%成長させ、2024年には年間50億米ドルまで拡大させる目標を掲げている。
今後、さらに家具・手工芸産業が成長し続けるには、原材料、資本、労働力といった主要な生産要素の持続可能な供給が不可欠である。工業省によると、家具製品の原材料である木材は、主に6880万ヘクタールもの広さがある経済林からのもので、その量は十分に豊富で比較優位であるという。
また同省は家具・手工芸企業のビジネス環境改善のため、原材料物流センターなどの施設活用や、税制面での支援、国際展示会への参加促進などに取り組むことを決定している。