3Dプリント技術を活用して鋳造工程の一部を効率化した「3Dプリントジュエリー」の需要が高まっている。インドネシアにもまた、顧客ごとに柔軟にカスタマイズ可能な3Dプリントジュエリーの結婚指輪を提供するスタートアップが存在する。
世界規模の調査会社データ・ブリッジ・マーケットリサーチが4月6日に発表した資料によると、3Dプリントジュエリーの市場規模は2021年から2028年にかけて21%拡大すると予想されている。拡大の背景には、3Dプリントなどの先進技術への投資の急増、消費者の可処分所得の増加に伴う購入層の広がり、ゴールドジュエリーの需要の増加、カスタマイズおよびパーソナライズされた製品に対する消費者の嗜好の高まり、拡張現実技術の浸透などがある。
貴金属ジュエリーの製作に3Dプリント技術を導入することで、従来は必要であったロストワックスのプロセスを効率化することが可能になった。これにより、個々にカスタマイズされた製品を作ることが容易になった。
インドネシアのジュエリー製造・販売のスタートアップ、ロヴァリー・コーポレート・インドネシアは、この3Dプリントジュエリーを取り扱っている。当初、ロヴァリーは完成予定品の写真や絵を用いて結婚指輪の受注を行っていた。しかし、完成した指輪を見てイメージと違うと残念がる購入者も少なくなかったという。
そこで、イブラハム創業者兼CEOは3Dプリント技術の導入開発を始めた。ロヴァリーでは、注文ごとにまず3D画像を作成する。続いて、その3D画像を3Dプリンターで印刷し、印刷物は金属を流し込むための鋳型に加工される。
イブラハムCEOは「3D画像は完成品とほぼ同じで安心できる。一生の記憶に残るようなパーソナライズされた指輪が欲しいカップルたちに、この技術をもっと知ってほしい」と語っている。