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政党ではなく候補者で選ぶ インドネシア有権者の投票傾向

インドネシアの各政党が、2024年大統領選候補者の指名を徐々に発表している。しかしながら、有権者は政党ではなく候補者本人に対し投票を行う傾向があるようだ。

コンパス社の研究開発部が、5月26日から6月4日に有権者1200人を対象に行った調査によると、その過半数を占める約67%が「候補者を指名している政党に関係なく、好ましいと思う候補者へ投票する」と回答した。例え、嫌いな政党から指名されていたとしても、自分の政治的忠誠は候補者にあるという。

今回の調査では、他の世論調査と一致して、グリンドラ党の党首であるプラボウォ国防相、闘争民主党(PDIP)のガンジャル中部ジャワ州知事、ジャカルタ特別州のアニス知事が大統領候補の人気上位3位を占めた。

一方で、候補者に対する有権者の忠誠心が最も高かったのは、ガンジャル中部ジャワ州知事だった。次いで、プラボウォ国防相と続くが、3位には西ジャワ州のリドワン・カミル知事が名を挙げた。リドワン西ジャワ州知事はどの政党とも提携していないものの、ソーシャルメディア上での支持を獲得した結果だった。

政治アナリストのアディ氏は、この調査結果は、国民の政党への親和性が低いことを反映していると話した。人々が貧困や失業に苦しんでいる時、政党は何もしていないという評価なのである。実際に、世論調査会社のインディカトル・ポリティック・インドネシアの2021年の調査では、政党とのつながりを感じていると答えたのはたった6.8%だった。

同社は、民主主義にとって健全ではないものの、スハルト体制の崩壊後に初めて大統領に直接投票することが可能となった時代から、有権者の中には候補者に対する忠誠心が存在していたと説明した。