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ディエン高原に幻想的な「エンブン・ウパス(毒露)」の季節が訪れる

自然現象は観光地の魅力を高める要素のひとつ。中部ジャワ州のディエン高原でこの時期に降りる「霜」を地元の人々は「エンブン・ウパスEmbun Upas(毒露)」と呼んでいる。

美しい光景だが農家の人にとって霜は大敵。低温でも良く育つことで知られているディエン高原のジャガイモでも霜害には勝てない。それが「毒露」と呼ばれる所以。この地域の人たちは降霜の季節に作物を育てることを諦め「冬」が明けてからまた栽培を始めるようになった。

一方で一面の雪景色のようになるその様子は観光客を魅了する。日中は晴れて気温が高く、夜から朝にかけて気温が非常に低い時に霜は降りやすい。気象気候地球物理庁によると、ディエン高原の霜景色を見るには今がベストシーズン。霜は通常7月から8月の乾季に降りるが近年はその時期が早まっているという。今年は1月にもディエン高原で霜が降りた。霜は早朝4時から5時半頃、気温が−1度以下に達した時にのみ降り、日の出とともに溶けて消える。特定の時期の特定の時間しか見られないのも魅力だ。

アルジュナ寺院付近は観光地化されており、氷の結晶をまとった草葉が朝日を浴びて輝く美景を見ようと早朝から多くの観光客がテントを張り、待つ。地元住民は温かい休憩所や軽食を提供し、訪れる観光客をもてなしている。