動画配信サービスの出現により、見たいときに見たい分だけエンターテイメントを楽しめるようになった。決まった時間のテレビ番組やドラマを待つのではなく、ネットフリックスやユーチューブなどを介して好きな時間に動画やウェブドラマを見るという人も珍しくない。
インドネシアでは、ネットフリックスやユーチューブを代表とする、インターネットを介して視聴者に直接コンテンツを提供する配信サービスの総称である「オーバーザトップ(OTT)」を、3人に1人が利用している。アメリカの多国籍テクノロジー企業The Trade Deskの最新調査で明らかになった。
インドネシアのOTTユーザー数は8300万人に及び、平均してユーザー1人あたり毎月41時間をOTTコンテンツの消費に費やしている。国全体では月35億時間を費やしており、東南アジアで最も多い。さらに、このOTT消費時間は前年比で40%増加しており、映像業界もテレビからウェブへ流通チャネルの見直しを図りつつある。また、OTTユーザーの過半数を占める58%が女性だという。
OTTユーザーのひとりであるブカシ出身のアニサさんは、WEtv、ネットフリックス、ディズニーホットスターを利用している。コンテンツの中では特にウェブドラマを好み、1話の短さ、ジャンルの幅広さ、アクセスの柔軟性を評価している。
また、インドネシアのウェブドラマ制作会社に務めるアドリアノさんは、ウェブドラマはテレビドラマよりも配信・放送期間が柔軟であると利点を述べた。ウェブドラマは通常1分から30分ほどで、予算にあわせて配信回数や1話の時間を設定できる。
別の視点では、テレビに比べて道徳的な制限が少ないため、ウェブはタブーを含む内容を伝える適切な媒体に成りうると考えている。アドリアノさんは、インドネシアのOTT市場がタブーを含むあらゆるテーマに広かれたものになるよう望んでいる。