世界中の優れた研究機関に出資しているビル&メリンダ・ゲイツ財団を運営するビル・ゲイツ氏は、デング熱撲滅を目指す革新的な研究にも出資している。
その研究とはデング熱を媒介するネッタイシマ蚊にボルバキアという名の細菌を感染させるすることでデング熱の伝播抑制を試みるもので、ジョグジャカルタのガジャマダ大学でも行われている。ボルバキア自体は昆虫の約7割が自然に保有している細菌で人体に悪影響はない。ネッタイシマ蚊は本来ボルバキアを保有しないが、近年の研究で人工的に感染されることが可能になり、ボルバキアを保有する蚊の群れを自然界に放つ段階まで完了している。
ビル・ゲイツ氏は同研究の視察のため2014年にジョグジャカルタを訪れているが、その後8年間で同地域のデング熱感染率が77%低下したと明らかにした。
この研究プロジェクトは2011年にオーストラリアで始まり、インドネシアを含む計11か国で行われている。